![]() 真珠光沢のあるテクスチャーを有する画像形成支持体
专利摘要:
本発明は、支持体および該支持体を用いた画像形成性要素に関し、該支持体は少なくとも1つの真珠光沢樹脂層を含んでおり、最上層はポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含んでおり、そして画像形成性要素、そして従って該支持体のFLOP値は、25超である。また、真珠光沢のある支持体の製造方法も含まれる。 公开号:JP2011511316A 申请号:JP2010544996 申请日:2009-01-19 公开日:2011-04-07 发明作者:ゴードン エバンス,ピーター;ドントゥラ,ナラシムハラオ;エー. ヒース,テリー 申请人:イーストマン コダック カンパニー; IPC主号:G03C1-76
专利说明:
[0001] 本発明は画像形成性要素に用いられる新規な支持体に関する。] 背景技術 [0002] 反射型ハロゲン化銀画像または反射型インクジェット画像等の従来技術の反射性画像出力材料は、典型的には、白色反射性ベース材料に適用された画像形成性層を含む。白色反射性ベースが周囲光を観察者の眼に反射すると、その観察者の脳内で画像が形成される。従来技術のベース材料は、白色反射性ベース材料を形成するために、典型的には、TiO2または硫酸バリウム等の白色反射性顔料をポリマーマトリックス中に利用する。従来技術の反射型印画紙は、白色顔料がセルロース紙コアにより散乱される露光エネルギー量を減少させるので、画像露光中に画像白色度及び鮮鋭度が得られるようにハロゲン化銀画像形成性層のすぐ下にある支持体中に白色顔料をも含んでいる。ハロゲン化銀画像の鮮鋭度および白色度を得るために高充填共押出層中に白色顔料を使用することの詳細は米国特許第5,466,519号明細書に記載されており、参照することによって本明細書の内容とする。] [0003] 米国特許第5,866,282号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)において、積層二軸延伸ポリオレフィンシートを有する複合支持体材料を、写真画像形成材料として使用することが提案されている。米国特許第5,866,282号明細書においては、二軸延伸ポリオレフィンシートがセルロース紙に押出ラミネートされ、ハロゲン化銀画像形成性層のための支持体が作られている。この二軸延伸シートはミクロボイド含有層を有し、このミクロボイド含有層はその上方および下方に存在するTiO2等の白色顔料を含む共押出層と組み合わされている。この複合画像形成支持体の構造は、セルロース紙上にコートされたキャスト溶融押出ポリエチレン層を使用する従来技術の印画紙画像形成支持体よりも、耐久性が高く、より鮮鋭で、より明るいことが判っている。] [0004] 米国特許第6,071,680号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、写真出力材料として使用するための感光性ハロゲン化銀画像形成性層をコートしたボイド含有ポリエステルシートを使用することが提案されている。このボイド含有層は、従来技術のポリエチレン溶融押出被覆セルロース紙ベース材料と比較して、不透明度、画像明度、および画像輝度を向上させる。この画像ベースは、ハロゲン化銀画像形成性層の製造時および処理中に画像形成性層への接着が容易であるように一体となったポリオレフィン表皮層も含む。] [0005] そこで、画像出力材料の外観を改善することが依然として必要とされている。消費者が、反射性出力材料に加えて真珠光沢のある画像も好むことが判っている。真珠光沢のある画像は、真珠様または真珠箔の輝き、玉虫色に輝く光彩、および三次元的に見える鮮やかな光彩を示す。真珠光沢のある外観は、自然界では、真珠またはタルボ・マルモラタス(Turbo marmoratus)の殻を磨いたもので見ることができる。] [0006] 乳光を発するミクロボイド含有シートを有する真珠光沢のある写真要素が、米国特許第5,888,681号明細書に記載されており、参照することによって本明細書の内容とする。セルロース紙ベースと現像済みハロゲン化銀画像との間に配置されたミクロボイド含有ポリマー層を有するミクロボイド含有ポリマーシートが、乳光を発しているように見える外観を画像に与える。この真珠光沢外観は、ポリマーシートのボイド含有層内で多数回の内部反射を生じさせることにより生み出される。乳光を発しているように見える外観が画像に存在するとはいっても、この画像は、白色反射性ベース上に形成された典型的な写真画像と比較して、画像の鮮鋭度またはアキュータンスの損失、より高い濃度最小位置、および焼付速度の低下という欠点を有する。焼付速度を向上させ、鮮鋭度を高め、かつ濃度最小を低下させつつ、画像の乳光を発しているように見える外観を維持できることが望ましいであろう。また、ボイド含有ポリマーは優れた真珠光沢のある画像を与えるが、ボイド含有層は予め作られるために、ボイド含有層は永久変形を受けて画像の品質が低下しやすい。] [0007] 反射型消費者用写真における白色顔料の使用に加えて、白色顔料は、照明光源を拡散させるために、写真ディスプレー材料においても使用される。ディスプレー材料における白色顔料の使用は所望の拡散および反射特性を確かに提供するが、白色顔料は、現像された写真ディスプレー画像中のカラー色素の色相角を変化させる傾向がある。色素色相角は、カラースペクトルの領域に関連づけることができる色覚の特性のCIElab表色系における1つの尺度である。カラー写真システムでは、イエロー色素、マゼンタ色素およびシアン色素にとって知覚的に好ましい色素色相角がある。白色顔料を含む支持体上に写真色素を塗布した場合、現像された画像の色相角は、透明支持体上に塗布された色素の色相角と比較して変化することが判っている。白色顔料の存在から生じる写真色素の色相角の変化によって、白色顔料が実質的に存在しない透明ベース上に塗布された色素の組と比較して、往々にして、色素の知覚される特質が低下する。反射性支持体材料上にコートされた現像済み写真色素の組が、透明支持体上にコートされた同じ色素の組とあまり異ならない色素色相角を有することが望ましいであろう。] [0008] ペイントまたはプラスチック等のマトリックスに添加された真珠光沢顔料は、真珠光沢のある外観を呈することが知られている。真珠光沢顔料の従来技術における用途としては、顔料系ペイント、印刷インク、プラスチック、化粧品、並びにセラミックおよびガラス用の釉薬(glaze)があった。真珠光沢顔料をマトリックス中に分散させ、次に基材上にペイントまたはプリントする。二酸化チタンを含む真珠光沢顔料は、長年にわたって成功裏に使用されてきた。真珠光沢顔料は、事実上例外なく基材として雲母を使用して、層−基材原理に従って構成される。] [0009] 雲母顔料は、プリントおよびコーティング業界、化粧品業界、並びにポリマー加工で広く使用されている。雲母顔料は、干渉色および高い光沢で区別される。しかしながら、極めて薄い層を形成する場合には、顔料の金属酸化物層用の基材としての雲母自体が200〜1200nmの厚さを有するため、雲母顔料は適切でない。更なる欠点は、ある場合に小板サイズによって規定される特定の画分中の雲母小板の厚さが平均値の周りで著しく変化することにある。さらに、雲母は自然に発生する材料であり、外来のイオンによって汚染されている。極めて複雑な、技術的で、時間のかかる処理工程、特に粉砕および分級を必要とする。] [0010] 厚い雲母小板をベースとし金属酸化物でコーティングされた真珠光沢顔料は、その端部の厚さのために、特に20マイクロメートル未満の比較的微細な粒子サイズ分布の場合に、著しい散乱度を有する。雲母の代替物として、ガラス溶融物を圧延し、次に粉砕することにより得られる薄いガラスフレークを使用することが提案された。そのような材料をベースとした干渉顔料は、従来の雲母系顔料よりも優れた色彩効果を示す。干渉顔料の厚さは典型的には3マイクロメートル以下であるのに対し、ガラスフレークは、約10〜15マイクロメートルの非常に大きい平均厚さと非常に広い厚さ分布(典型的には4〜20マイクロメートルの範囲)を有するという欠点がある。] [0011] 米国特許第5,340,692号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、銀塩拡散法に従って連続階調(contone)画像を生じさせるための真珠光沢顔料を含む画像受容材料が開示されている。この方法によると、特別な処理液を必要とせず、画像受容層中に真珠光沢顔料を使用するかまたは支持体と画像受容層の間に真珠光沢顔料を配置することによって、銀塩拡散転写法を用いてアンティークな外観を呈する連続階調画像を得ることができる。使用するハロゲン化銀画像形成性層は保持された銀を用いて生じさせるため、ハロゲン化銀画像形成性層は半透明ではない。使用される真珠光沢顔料がハロゲン化銀画像形成性層ではなく画像受容層中に含まれるため、転写されたハロゲン化銀画像の濃度が真珠光沢顔料に起因する多重反射を遮る結果、形成された画像は一様な真珠光沢のある外観を呈しない。更に、粗い表面をもたらすであろうから、使用される真珠光沢顔料は、ハロゲン化銀画像形成性層中に含めるには大き過ぎるし、そして濃度が高過ぎ、画像の望ましい真珠光沢外観を低減する。米国特許第5,340,692号明細書中の例中で使用されている金フレークは、画像形成性層の現像後処理の際に生じた従来技術の白黒写真の「セピア調の(Sepiatone)」外観を擬することを試みたものである。この例における画像はアンティークな外観を呈するが、画像は真珠光沢のある外観を呈してはいない。] [0012] 米国特許第4,269,916号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)およびそれに関連する米国特許第4,288,524号および米国特許第4,216,018号明細書(ともに、参照することによって本明細書の内容とする)には、ラメラ状干渉顔料を含む反射性層を有するインスタント写真製品が開示されている。このラメラ状顔料の意図する用途は、青色剤を必要とせずにベース材料にとって好ましい白色の反射性の外観を生じさせることである。塩を金属酸化物でコーティングし、その後、塩を溶解させて薄いフレーク状の金属酸化物を残すことにより生成する金属酸化物の平らな粒子が球状TiO2粒子の代替物として提案されている。二酸化チタン粒子は典型的には、プリント材料の観察のための白色反射性表面を生じさせるために写真技術分野で使用されている。米国特許第4,269,916号の目的は、角度に依存する外観を呈さず、かつ、一貫したL*を有しない白色反射性表面を提供することであるため、この材料は真珠光沢のある外観を呈しない。米国特許第4,269,916号明細書中の例では、様々な集束角で高い反射度を示しており、これは、反射度が集束角の関数として変化する真珠光沢のある外観とは対照的である。更に、このラメラ状顔料は、ハロゲン化銀画像形成性層中にもベース材料中にも存在しない。ラメラ状顔料を含むマトリックス材料は、水性のアルカリ性処理組成物と混和性であり、そしてそれが浸透できると規定されている。米国特許第4,216,018号明細書および第4,269,916号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に開示されている特に好適なマトリックス材料は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、およびセルロース系のポリマー材料、例えばヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースである。] [0013] 米国特許第5,858,078号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、印刷インク、プラスチック、化粧品および食品用の、基材を持たない平板状TiO2顔料を製造する方法が開示されている。米国特許第5,733,658号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、揮発させた有機化合物とアンモニアを含むガス混合物により、チタニア被覆ケイ酸塩を主成分とする小板を400℃〜900℃で処理することにより得られる光沢顔料が、着色ペイント、インク、プラスチック、ガラス、セラミック製品、および装飾的な化粧品調製物に有用であると記載されている。画像形成支持体が長い期間にわたって周囲条件の変化に曝される場合に、画像含有層および樹脂層は多数のクラックを発生して劣化する傾向があり、この多数のクラックは審美的に望ましくなく、極端な場合にはプリント全体に拡がって画像を完全に駄目にする。全てのポリマーは、本質的に、化学的に劣化しやすく、化学的劣化は機械的特性の低下をもたらす。全てのポリマーは、薄いフィルムの押出等の加工の間に熱劣化したり、長期間露光により光酸化分解する。米国特許第5,858,078号明細書および米国特許第5,733,658号明細書(ともに、参照することによって本明細書の内容とする)中で使用されているTiO2は、熱劣化および光酸化分解の両方を触媒し、そして促進する。樹脂被覆画像形成紙の分野においては、溶融ポリマーを高温で押出し、そして高剪断力も加える。これらの条件は、ポリマーを劣化させ、変色および炭化をもたらしたり、ポリマースラッグ(slugs)または「ゲル」の形成をもたらしたり、ダイ表面上の劣化した材料堆積物に起因する押出フィルムにおけるスジおよび縞の形成をもたらしたりする。また、熱的に劣化したポリマーは、劣化していないポリマーよりも長期間安定性に劣るために、プリントの寿命を短くすることがある。] [0014] 画像形成性層(ハロゲン化銀、インクジェット、フレキソ印刷、レーザートナー等)を真珠光沢のあるベース材料に適用した場合に、画像形成性層が半透明色素を含むとき、画像の真珠光沢のある外観が最適化されることが判っている。画像形成性層における顔料入りインクおよび色素の使用は、画像の真珠光沢のある外観を低減する傾向がある。米国特許第6,071,654号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中では、半透明なハロゲン化銀画像形成性層が、ボイド含有ポリマー層を含む真珠光沢のある支持体上にコートされる。ボイド含有ポリマー層は、互いに平行に配向した平らな小板を生じる。眼に達する反射は主に鏡面反射である。各透明ポリマー小板は入射光の一部を反射して残りを次の透明小板層へと透過させるために、それは深さ方向で起こる。米国特許第6,071,654号明細書に記載されている画像は真珠光沢のある外観を呈している。] [0015] 米国特許第6,497,998号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、延伸ポリオレフィンの少なくとも1つの層および真珠光沢顔料を含む画像形成性要素が開示されている。樹脂のガラス転位温度と融点の間の温度でキャストされ、そして延伸された延伸ポリオレフィン層中での真珠光沢顔料の使用が開示されている。この延伸プロセスは、製品に真珠光沢のある外観をもたらす。不運にも、このプロセスは粗い表面を有する製品をもたらし、これは普通には光沢のある外観を低減させると考えられる。真珠光沢のある外観を強調するには、顔料を含有していない透明のポリオレフィン表皮を、真珠光沢顔料を含むポリオレフィン層の上に用いることによって、表面粗さを1.2μm未満に制御される。キャストおよび延伸配向プロセスはまた、ボイド形成をもたらす可能性があり、これはフィルムを弱くする。本発明は、透明なポリオレフィンの表皮なしの樹脂被覆ポリオレフィン層中に真珠光沢顔料を用いて作られた画像形成性要素を開示しており、それは融点よりも十分に高い溶融状態で延伸され、そしてその表面は、テクスチャーを有していて粗く、1.2μm超の平均粗さを有している。] [0016] 米国特許第6,544,713号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)は、真珠光沢顔料およびポリマーを含む少なくとも1つの層を含む画像形成性要素に関している。米国特許第6,544,713号明細書では、画像形成性要素の表面上にテクスチャーを作って、真珠光沢のある外観を操作するために、粗い表面を使用することを議論してはいない。米国特許第6,544,713は、高度に真珠光沢のある外観を有する粗い表面を使用することを教示してはいない。好ましい態様では、真珠光沢顔料を含む少なくとも2つの層を含んでいる。この真珠光沢顔料は、少なくとも1つの画像層中、および真珠光沢顔料およびポリマーを含む少なくとも1つの樹脂被覆層中に存在していることができる。] [0017] 米国特許第6,569,593号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)は、延伸されたポリエステルおよび真珠光沢顔料の少なくとも1つの層を含む画像形成性要素に関している。本発明は、ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレンもしくはポリプロピレン中の真珠光沢顔料の使用を議論しているが、このポリオレフィン樹脂は樹脂被覆されており、そして二軸延伸プロセスを経てはいない。真珠光沢顔料などの無機顔料を含むポリマーの二軸延伸プロセスは、通常はフィルムにボイド形成を生じさせる。] [0018] 米国特許第6,544,714号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)は、感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層、および感圧性接着剤を含む少なくとも1つの層を含む包装材料に関している。本発明は、感圧性接着剤層を含む層(複数)の使用を議論してはいない。] [0019] 米国特許第6,596,451号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)は、画像形成性層、真珠光沢顔料、およびボイド(複数)を含む少なくとも1つの層を含む画像形成性要素に関している。米国特許第6,596,451号明細書の支持体は、キャストおよび延伸プロセスによって作られている。本発明は、異なる粗さおよびテクスチャーの冷却ロール表面に当てた樹脂被覆を用いることによって作られたボイドのない支持体についてである。更に、米国特許第6,596,451号明細書には、真珠光沢のある外観に対する粗さおよびテクスチャーの影響を教示してはいない。] [0020] 米国特許第6,599,669号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)は、真珠光沢顔料を含む写真要素に関している。米国特許第6,599,669号明細書は、ハロゲン化銀乳剤を含む層(複数)、または感光性ハロゲン化銀乳剤層を分離する層(複数)などの写真要素の画像形成性層中での真珠光沢顔料の使用だけを開示している。本発明は、樹脂被覆ポリオレフィン(非画像形成性層)であって、その上に非真珠光沢顔料を含むハロゲン化銀乳剤層が被覆されている樹脂被覆ポリオレフィン中での真珠光沢顔料の使用だけを開示している。本発明は、低光沢であるが、しかしながら高度に真珠光沢のある外観という、これまでに知られていない特徴を有する基材を開示している。] 発明が解決しようとする課題 [0021] 画像出力材料の外観を改善することが、依然として必要とされている。消費者が、反射性出力材料に加えて、真珠光沢のある画像も好むことが判っている。ハロゲン化銀画像形成性要素用の、安価な色のついた金属のような支持体が必要とされている。焼付速度を向上させ、鮮鋭度を高め、かつ濃度最小を低下させつつ、画像の乳光を発しているように見える外観を維持することが望ましいであろう。反射性支持体材料上にコートされた写真色素の組が、透明支持体上にコートされた同じ色素の組とあまり異ならない色素色相角を有することもまた望ましいであろう。] 課題を解決するための手段 [0022] 本発明は、少なくとも1つの画像形成性層および支持体を含む画像形成性要素に関し、該支持体は少なくとも1種の真珠光沢のある樹脂層を含んでおり、該支持体の最上層は該少なくとも1つの画像形成性層に隣接しており、そしてポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含んでおり、そして該支持体のFLOP値は25超である。また、本発明は、少なくとも1種の真珠光沢のある樹脂層を含む画像形成性要素のための支持体(該支持体の最上層は、ポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含んでおり、そして該支持体のFLOP値は25超である)、ならびに、ベース基材を準備すること、ポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含む溶融した最上層を押出すこと、該溶融最上層を、2μmの平均粗さ(Ra)および11.125μmのRzを有する表面を有する冷却ロールに接触させること、および該冷却ロールから該最上層を取り外すこと(該最上層のFLOP値は25超である)、を含む支持体の製造方法に関する。] 発明の効果 [0023] 本発明は幾つかの利点を含んでおり、これらの全てが単一の態様に包含されているのではない。本発明は、安価な、光沢のある、真珠光沢のある外観、ならびに画層形成性要素上に形成された画像に付加された三次元の品質を提供する。本発明は、テクスチャーを有する表面を備えた画像形成性要素を与え、そして焼付速度を向上させ、鮮鋭度を高め、かつ濃度最小を低下させつつ、画像の乳光を発しているように見える外観を維持する。] [0024] 真珠光沢のある/真珠光沢の画像形成支持体は、顔料を用いて作られてきている。真珠光沢のある/真珠光沢の画像形成支持体は、低密度ポリエチレンマトリックス中で押出コーティングすることによって作られてきている。真珠光沢のある/真珠光沢の画像形成支持体は、2層構造(共押出)、ならびに単層押出を用いて作られてきている。真珠光沢の、もしくは真珠光沢のある顔料を含む層は、TiO2またはCaCO3などの他の顔料を含まず、そして乳剤層(画像受容層)に最も近接している。真珠光沢顔料の量または真珠光沢顔料の被覆率が、真珠光沢を決定し、これはFLOP測定によって特徴付けられる。粗い表面が、真珠光沢および画像形成支持体の真珠光沢のある外観を低減させることは、商業的に、そして当技術分野において従来よく知られている。驚くべきことには、本発明では、真珠光沢は、冷却ロール表面の、真珠光沢顔料層がそれに対して押出される表面特性(粗さ)に基づいて高められる。驚くべきことに、2μmの平均粗さ(Ra)および11.125μmのRzを有する冷却ロールに当てて被覆された樹脂押出品は、樹脂が、1.14μmの平均粗さ(Ra)および7.979μmのRzを有する冷却ロールに対して押出された場合よりも、有意に高いFLOP値を与えることが見出された。更に、2μmの平均粗さおよび11.125μmのRzを有する冷却ロールに当てて作られた試料は、0.132μmの平均粗さおよび1.174μmのRzを有する平滑な冷却ロールに対して押出された樹脂と同様の、もしくは僅かに高いFLOP値を与えた。このことは驚くべきことであり、何故ならば、最も粗い表面を有する冷却ロールが最も高いFLOPを有するからであり、従って、冷却ロールの表面特性と結果としてのFLOPの間には、予期されない相互作用が存在しているからである。また、本発明は、所定の顔料充填量(質量%または被覆率)では、真珠光沢顔料含有層の非真珠光沢顔料含有層に対する層比がFLOPを向上させることを開示している。] [0025] 1つもしくは複数の樹脂層中に真珠光沢顔料を含むが、しかしながら着色剤を含まない画像形成支持体とともに、乳剤層中に着色剤(色)を使用することもまた開示されている。ルチルTiO2被覆を有し、そして2〜10ミクロンの粒径を有する雲母粒子が好ましいが、しかしながら他の顔料でも同様の傾向が観察されるであろう。] [0026] 真珠光沢のある/真珠光沢の支持体は、画像形成性層と組み合わされて画像形成性要素を形成する場合に最も有用である。特に好ましい画像形成用途は、ハロゲン化銀系、ならびにインクジェット(膨潤性の媒体)、およびこれらの支持体のフレキソ印刷に関する。] [0027] 本明細書において使用される「上面」、「上部」、「乳剤側」、および「表」という用語は、写真部材の、画像形成性層を保持している側の面またはその面の側を意味する。「底面」、「下部」、および「裏」という用語は、写真部材の、感光性画像形成性層または現像画像を保持している側の反対側の面またはその面の側を意味する。] [0028] 真珠光沢の外観は、真珠のような、光沢のある、玉虫色に変化する、メタリックな輝きである。「真珠光沢」なる用語は、真珠のような、真珠光沢の、光沢のある、そして真珠光沢のある外観を意味する。この用語には、メタリックで、光沢があり、幾分玉虫色に変化する効果が含まれることがある。] [0029] 真珠光沢効果は、その構造が小板状である干渉顔料によってもたらされる。これらの顔料は、鏡面反射および拡散反射をもたらす傾向があり、そして、これらの顔料は一部の光を透過する。典型的には、干渉顔料は、細長い小板状構造のケイ酸塩を主成分とする材料、例えば雲母、長石および石英である。真珠光沢の、従って真珠光沢のある顔料としては、天然真珠顔料、小版状オキシ塩化ビスマス、塩基性炭酸鉛、二酸化チタン(米国特許第4,040,859号明細書、参照することによって本明細書の内容とする)、酸化鉄(米国特許第3,087,829号明細書、参照することによって本明細書の内容とする)、二酸化ジルコニウム(米国特許第3,087,828号明細書)または他の高屈折率材料のいずれかで被覆された雲母、を挙げることができる。] [0030] 好適に用いることのできる他の光学的に変えられる顔料は、アルミニウム(5nmおよび10nm)もしくは二酸化チタンの薄層で被覆された酸化ケイ素であり、そしてクロムで被覆されたフッ化マグネシウムの結晶もまた用いられてきている。これらの顔料構造は、米国特許第3,438,796号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中で強調されている。被覆された小板様の新規な光学的に変えることができる顔料構造が、米国特許第5,364,467号明細書および米国特許第5,662,738号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に開示されている。米国特許第5,976,511号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)には、硫酸バリウム粒子で構成され、そして酸化亜鉛、酸化セリウム、または二酸化チタンによって被覆され、真珠のような光沢を有する顔料が開示されている。] [0031] 本発明の好ましい態様では、真珠光沢顔料は雲母を含んでいる。被覆された雲母が好ましく、何故ならばそれは小板構造を有し、金属酸化物で被覆された場合には、真珠光沢のある外観を有していて、画像に極めて魅力的で、独特な外観を与えるためである。更に、この雲母は、ハロゲン化銀乳剤を含む、ならびにハロゲン化銀乳剤を含まないか、もしくは少なくとも実質的に含まない1つの層または複数の層中に、容易に分散させることができ、そして被覆することができる。本発明の目的では、「雲母」という用語は、真珠光沢のある材料を指し、そして雲母、長石、石英、ケイ酸塩、変性雲母、および金属酸化物で被覆されている雲母、屈折率で0.2超異なる材料で被覆された雲母を含んでいる。この雲母材料は、半透明の有機および/または無機材料であることができ、そして異なる角度から眺めた場合に、真珠光沢効果を有することができる。真珠光沢顔料に適する雲母の例には、白雲母(muscovite)、ソーダ雲母(paragonite)、金雲母(phlogopite)、黒雲母(biotite)およびリシア雲母(lepidolite)がある。雲母小板は、高屈折率無機酸化物の薄い単層または複数の層で被覆することができる。雲母粒子のサイズも最終的な反射画像を決定することに重要な役割を果たす。顔料中の雲母の質量は、通常40%〜90%の間、大抵の場合は60%〜80%の間である。二酸化チタンがコーティングとして使用され、そのコーティングの厚さが増大すると、玉虫色効果(玉虫色)が観察される。] [0032] 特別な金属酸化物コーティングが、極めて薄い層として雲母粒子に適用される。用いることができる金属酸化物としては、チタン、鉄、クロム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、バナジウム酸ビスマス、チタン酸ニッケル、チタン酸クロム、鉛などが挙げられる。最も好ましい金属酸化物は、その優れた白色度から、チタンである。青白色の外観を得るためには、通常は金属酸化物コーティングの厚さを120ナノメートル未満に制御することが重要である。] [0033] 画像形成用途で使用されている真珠光沢顔料では、白色真珠光沢のある外観を生じさせるには、真珠光沢顔料が不均一な小板厚みを有し、小さな粒子を含むことが望ましいであろう。一般的に、本発明に関して述べる光沢のある顔料は、二酸化チタンまたは他の金属酸化物で被覆された平らな雲母小板からなる顔料である。これらは形状が不規則的であり、そして0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートルまでの範囲の厚さであることができるが、幾らかの単一粒子がより厚くても良い。この粒子は500マイクロメートル以下の長さを有することができる。] [0034] 写真要素で使用するには、滑らかな表面を有することが望ましい。これを実現するには、小さな粒子が最良であるが、顔料が懸濁されているバインダーポリマーの層厚みを増大させてもよく、また透明オーバーコートを適用してもよい。視覚的にインパクトのあるボールド効果(bold effect)が望ましい場合には、より大きい粒子が望ましい。粒子サイズ、金属酸化物コーティングの厚さおよび種類、並びに顔料の濃度を調節することにより真珠光沢効果を変化させることができる。一般的に、三次元的効果を生じさせる場合には低い顔料添加レベルが好ましい。よりメタリックな輝きが望ましい場合には、より高い顔料添加水準が最も好ましい。] [0035] 用途によっては、導電性でもある真珠光沢顔料を含めることが望ましいことがある。導電性の真珠光沢顔料を使用することには、感光性層を使用する写真の分野で幾つかの独特の利点がある。帯電および放電はかぶった層をもたらすことがある。電荷の蓄積を防ぐことを助ける導電路を設けられることは画像形成媒体にとって重要な要素である。これは、感光性層の光カブリを防ぐのを助けるだけでなく、帯電やシートが互いにくっついたりすることなく、シートを互いに滑らしたり、シートを様々な装置の部品の上で滑らせることができる。この種の顔料は、写真要素の乳剤側に導電性を付与する手段でもある。導電性真珠光沢顔料は、TiO2、SiO2等の材料で被覆され、更に導電性の無機混合金属酸化物の緻密層である外層で被覆された、小板状雲母の内部コアからなる。典型的な材料は、アンチモンをドープした二酸化錫である。雲母の細長い粒子は、粒子が接触している場合に導電路を与えるのに有用である。本発明の1つの態様では、真珠光沢顔料は、更に1013ログオーム/スクエア未満の電気抵抗体(resistant)を含んでいる。1013ログオーム/スクエア未満の電気抵抗体は、感光性層にかぶりを生じさせる可能性がある帯電および放電を防止するのに望ましい。] [0036] 本発明において使用される真珠光沢顔料の寸法は、0.5μm〜400μmの範囲であり、好ましくは1μm〜100μmの範囲であることができるが、なぜなら、100μmを超える粒子では累進的により粗くなるからである。表面の粗さが過度に大きいと、真珠光沢外観がなくなる傾向がある。顔料の厚さは好ましくは0.1μm〜0.6μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.4μmの範囲である。5μm未満または0.2μm未満の粒子は典型的には十分に高い真珠光沢外観を持たず、一方、長さ400μm超または幅0.6μm超の粒子は、典型的には非常に大きく、真珠光沢効果が無くなり始める粗さを与える傾向がある。] [0037] 真珠光沢顔料は、写真要素を0.5〜3000mg/m2の範囲で構成することができる。0.5mg/m2未満の真珠光沢顔料水準は、検出するのが困難であり、そして通常は真珠光沢の効果を有しない。1000mg/m2の真珠光沢顔料水準は、外観へのそれらの効果を損なうことなしの、樹脂被覆を用いた適切な処理条件を必要とする。] [0038] 本発明の好ましい態様では、真珠光沢顔料は500〜2500mg/m2の範囲の量で存在する。真珠光沢顔料をこの水準で用いることを可能にするには、真珠光沢顔料を含む樹脂層の全体の厚さを増大させる必要がある。500mg/m2より小さいと、真珠光沢のある外観は希薄であり、一方で2500mg/m2より大きい水準でも真珠光沢の有意に改善された外観を呈しない。好ましい範囲におけるより高い水準が、より強い真珠光沢のある外観を有する傾向にあり、このことが、異なった外観に価値があるディスプレーや若年層市場向けの用途には望ましい。好ましい態様では、真珠光沢顔料は、ポリオレフィン樹脂の0.1〜15質量%の範囲を構成しなければならない。0.1%未満の水準では、最小限の真珠光沢のある外観であり、一方で15%を超える水準では小板の過剰な積み重なりを生じ、それが真珠光沢のある外観を阻害する傾向にある。実質的に透明なポリマー中に、唯一の顔料として真珠光沢顔料を有することが好ましい。他の固体粒子を含むことは、より多い光の散乱を生じ、真珠光沢効果を低減させる。] [0039] コーティングによって、入射光の入射角および観測角度による、明度と色調の差異、および輝度の差異が示される可能性がある。真珠光沢のある外観の特徴的な性質は、視角の角度依存性である。これらの差異のある光反射現象は、フロップ(FLOP)効果とよばれている。この視角の角度依存性は、光学式スペクトロゴニオメーターによって特徴付けられ、そしてFLOP値として報告される。] [0040] 例において記載される試験方法は、目的の材料の真珠光沢の特性を評価するために使用され、フロップ値を測定する。45度入射光を、鏡面反射角から10度、45度および110度で集める。分光光度計出力、例えばCIEL*(それぞれL1*、L2*、L3*)を以下のように用いる: FLOP=15(L1*−L3*)1.11/L2*0.86 ここで、10未満のフロップ値では真珠光沢外観を示さず、10を超えるフロップ値では真珠光沢のある外観を示す。] [0041] 媒体のこの観察角依存性およびその構造の固有のランダムさは、任意のある集光角での媒体の変動性(variability)のために、形成された色素を「計測する」際に誤差をもたらす。これらの非常に鏡面反射性が高く半透明な材料は、角度に依存する非鏡面反射方向にも幾らかの光を反射する。0/45での入射光と集光は、フロップに対する濃度最低値の予測を可能にするが、カラー色素形成層が媒体に加えられると、濃度が濃度最低から濃度最大まで増加するため、これらの値はもはや予測に使用できないことが判った。本発明の好ましい態様では、画像形成性要素および組み合わされた支持体のFLOP値は、25より大きく、そしてその表面は粗さまたそれに伴うテクスチャーを有している。他の好ましい態様では、FLOP値は25超であり、そしてその表面は光沢がある。最も好ましいFLOP値は30超である。] [0042] 干渉効果因子が更に、顔料便覧、第3巻、キャラクタリゼーションおよび物理的関係("Pigment Handbook, Volume III, Characterization and Physical Relationships")、1973年、T.C. Patton編、John Wiley & Sons、p.357〜359」に開示されている。反射特性に影響を与える因子が更に、R.W. Fleming、R.O. DrorおよびE.H. Adelson、"Real World Illumination and the perception of surface reflectance properties"、Journal of Vision、2003年、p.347〜368、ならびにインターネット(URL:http://www.glenbrook.kl2.il.us/gbssci/phvs/Class/refln/ul311d.html)に開示されている。光沢に対する表面外観の重要性が、Kai-Erik PeiponenおよびMikko Juuti、" Statistical parameters for gloss evaluation"、Applied Physics Letters、2006年、第88巻、071104に開示されている。これらの文献は全て、参照することによって本明細書の内容とする。] [0043] 真珠光沢顔料は、ほとんどの分散媒(バインダーポリマー)中に分散できる。粒子は実質的に透明なため、同様に透明である分散媒の使用は最大の効果を与える。より半透明の分散媒を使用する場合には、同じ水準の真珠光沢のある外観を達成するには、より多くの真珠光沢顔料を使用する必要があるであろう。本発明の目的のためには、ポリマーという用語は、特に断りのない限り、溶融押出し可能な樹脂、例えばポリオレフィン、ポリエステルおよびそれらの共重合体を指している。好ましい樹脂は、ポリオレフィンおよびそれらの共重合体である。] [0044] ポリオレフィンは、それらが比較的に安価であるため、そしてまた真珠光沢顔料がポリオレフィン中に容易に分散され、押出被覆されるために好ましい。ポリオレフィン、そして特にポリエチレンが、写真乳剤と接触して、接着を高めるのに好ましい。好ましい態様では、真珠光沢顔料およびポリマーを含む少なくとも1つの層の画像形成性要素は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドおよびそれらの共重合誘導体ならびに混合物からなる群から選ばれるポリマーを更に含んでいる。] [0045] 真珠光沢顔料を含むポリオレフィンの押出しは、1層または2層以上の層で行なうことができる。不透明剤を含む樹脂層もまた、真珠光沢顔料を含む樹脂層の下に共押出することができる。通常の不透明剤または白色顔料としては、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルク、クレー、ZnO、ZnSおよび当技術分野で知られている他の顔料が挙げられる。真珠光沢粒子は比較的に大きい傾向にあるため、押出層の使用は、真珠光沢顔料の最長寸法に対するポリマー層厚さの比を制御する方法を提供する。] [0046] 画像形成性要素が真珠光沢顔料とポリマーで樹脂被覆される好ましい態様では、この樹脂ポリマー層は、別に実質的に他の顔料を含まないものでなければならない。すなわち、分散ポリマーは透明でなければならない。同じ層中、または真珠光沢顔料の上の層中の光吸収性白色顔料と光反射性白色顔料は、真珠光沢のある外観を著しく低減させるか、もしくは遮断する。真珠光沢顔料を含む樹脂層の被覆率は、12000mg/m2〜35000mg/m2である。単層では、真珠光沢顔料の好ましい被覆率は、17000mg/m2〜35000mg/m2である。] [0047] 他の態様では、感光性層または画像形成性層の下に配置されるポリマー樹脂被覆(表面被覆)は、他の材料、着色顔料、蛍光増白剤、そして必要ならば、他の添加剤、例えば帯電防止剤、顔料の分散剤などを含むことができる。また、樹脂被覆層は、真珠光沢層の1層または複数の層の好ましくは下側の1層または2層以上の層であることができる。顔料を含有するポリオレフィン被覆材料は、紙の片側または両側に適用することができる。顔料を含有するポリオレフィン被覆材料は、ポリオレフィン(80〜95質量%)、二酸化チタン(20〜5質量%)、および0.05〜20質量%のアルカリ土類炭酸塩もしくは酸化物からなっている。真珠光沢顔料含有層(1層または複数の層)を備えた共押出構造では、他のポリオレフィン層(1層または複数の層)中のTiO2などの不透明剤の量を低減することができる。また、厚い樹脂層中に十分な量の真珠光沢顔料が用いられた場合には、不透明剤を含む層を省くことができる。] [0048] 慣用の写真用樹脂コート印画紙では、二酸化チタンが、その高い屈折率のために用いられ、それは合理的なコストで優れた光学的特性を与える。このTiO2の表面は、無機化合物、例えば水酸化アルミニウム、フッ化物化合物もしくはフッ化物イオンを含むアルミナ、フッ化物化合物もしくはフッ化物イオンを含むシリカ、水酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ホウ素、ボリア変性シリカ(米国特許第4781761号明細書に記載されている)、リン酸塩、酸化亜鉛、ZrO2など、および、有機物処理、例えば多価アルコール、多価アミン、金属セッケン、チタン酸アルキル、ポリシロキサン、シランなど、で処理されていてもよい。] [0049] 本発明の真珠光沢のある/真珠光沢の支持体は、単層の支持体、すなわち、まさに1つの樹脂被覆層、ならびに多層支持体であることができる。多層支持体は通常は、ベースの支持体または基材上に、少なくとも1つの樹脂被覆層を含んでいる。本発明では、多層支持体の上面もしくは最外の樹脂被覆層は、真珠光沢のある真珠光沢層である。この真珠光沢層は支持体の少なくとも画像形成側上に配置されていることができ、そしてまた支持体の非画像形成側上にも配置されていることができる。] [0050] 本発明では、いずれかのベース基材を用いることができる。ベース基材としては、樹脂被覆原紙および特には写真用樹脂コート原紙、ポリエステル、紙にラミネートされた二軸延伸ポリマーシート、ポリエステルまたは他の好適なポリマーシート、紙、ポリマー被覆紙、合成紙などが挙げられるが、これらには限定されない。] [0051] 慣用の樹脂被覆写真印画紙支持体材料は、通常はポリマー樹脂被覆を両側に備えた原紙からなっている。この原紙上のポリマー樹脂被覆は、ポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンからなっていてよく、そして通常は押出コーティング法によって紙に適用される。これはポリマーの単層または多層共押出層のいずれでもよい。白色反射性ベースは、プリントを見ている間、優れた表面およびバックグラウンドを与える。特に、92を超えるL*を有する白色反射性ベースを備えることが望ましい。92を超えるL*は、画像に対して良好なコントラストを与え、観察者にとって感じが良いので、92を超えるL*が好ましい。最終消費者の立場から非常に反射性の高い白さが非常に望ましい。L*または明度および不透明度は、スペクトロガード(Spectrogard)分光光度計、CIEシステム、照明D6500を使用して求めた。本発明の更なる態様では、表面粗さの平均(Ra)が0.8μm超であり、そしてRzが7μm超であるベースを有することが望ましい。更に、粗さおよびテクスチャーに通じる表面特性を備えたベースが、樹脂被覆プロセス(またはその後のエンボスプロセスでもよいが)、において用いられる模様を付けた冷却ロールによって作られるのが好ましい。また、用いられるこの冷却ロールまたは型押機は、粗く、またテクスチャーを有する基材および粗くそしてテクスチャーを有する画像形成性要素をもたらすように、特定の粗さ特性RaおよびRzを有しているであろう。] [0052] 好ましい態様では、写真要素は10未満のb*を有している。写真印画のためには10未満のb*が望ましいが、何故ならば顧客は、白く見える印画を伝統的に期待しているからである。更に、10未満のb*は、他の色との優れたコントラストを与える。白には多くの色合いがある。白色がより白く見えるようにするには、青白色が望ましく、一方で、より暖かい色調の画像には青色がより弱い、またはより黄白色が望ましい。他の白色の色合いのために他の色合いを用いることができ、一方で、白色をより青く見えるように、蛍光白色剤を、真珠光沢顔料とともに用いることができる。特殊な効果または配色のために、白色以外の色と真珠光沢顔料を用いることができる。] [0053] 写真および画像形成性要素は、光沢によって特徴付けられ、光沢は今度は表面粗さによって影響される。要素の表面粗さは通常は、針を具備した器械、例えばパーソメーター(perthometer)、フェデラルプロファイラー(Federal profiler)または干渉分光計(interferometry)によって特性を決定される。これらの測定によって得られる表面の特徴は、粗さ平均(Ra)のような粗さパラメータである。これはまた、算術平均(AA)、中心線平均(CLA)、中心線平均粗さ(Arithmetical Mean Deviation of the Profile)として知られている。] [0054] Raは、粗さのプロファイルとその平均線との間の面積、または評価した長さに亘る粗さプロファイルの高さの絶対値の積分である。] [0055] ] [0056] デジタルデータから評価された場合には、この積分は通常は台形法則によって近似される。] [0057] ] [0058] 更に、生データからは、Rzのような粗さの特性を得ることができ、これはサンプル抽出した長さの内での最も高いピークの高さと最も低い谷の深さの合計である。また、生データからは、単位長さ当たりのピークの数を決めることができる。これはピーク数(Pc)と称される。Pcを計算する目的から、上側および下側の閾値に対して「ピーク」が規定される。通常は、これは単数であり、「ピーク数の閾値」、下側の閾値から上側の閾値の距離であり、中心線が中心にくる。ピークは、数えられるためには、上側の閾値上、および下側の閾値の下を横切らなければならない。ピーク数は評価長さ中のピークの数を、評価長さで割ったものであり、評価長さはセンチメートルでもインチでもよい。好ましい態様では、画像形成性要素用の支持体は、0.25ミクロンを超えるが1ミクロンよりも小さいピークの、30〜70の範囲のピーク数を有している。また、この支持体は、2ミクロン未満のRaおよび11ミクロン未満のRzを有することができる。] [0059] 表面を特徴付けるのに有用な他の空間パラメータはSmであり、これは2つの正の中心線交差(positive meanline crossings)の間の平均間隔を表している。与えられたトレース長さについて、2つの連続した中心線交差(meanline crossings)が求められ、そして平均値が報告される。この粗さパラメータは、ASME B46.1標準2002(表面品質の分類と等級(classification and designation of surface qualities))に従って測定される。] [0060] 驚くべきことに、画像形成性表面は粗くてもよい(高いRaおよびRzによって特徴づけられるように)が、しかしながら高い真珠光沢のある外観または25超のFLOP値を有している。好ましい態様は、0.8μmのRa(従って低光沢)および7μm超のRzを有する写真要素であり、これは150μm超、好ましくは290μm超、または更には300μm超のSmを有している。実験的な証拠は、1.5μm超の表面粗さ平均Raおよび8.4μm超の粗さ特性Rzを有する最上層を備えた画像形成性要素は、一貫して25超の、好ましくは30超のFLOP値を与えることを示している。この要素は、好ましくは290μm超の空間表面特性パラメータSmを備えた最上層を有している。] [0061] ここで用いられる用語「画像形成性要素」は、画像形成性要素上への画像の転写を制御する多くの技術に適用できるように、少なくとも1つの画像受容層と共に画像形成支持体を含んでいる。このような技術としては、色素転写型感熱記録、電子写真印刷、またはインクジェット印刷、ならびに写真ハロゲン化銀画像用の支持体が挙げられる。ここで用いられる用語「写真要素」は、画像の形成に感光性のハロゲン化銀を用いる材料である。本発明の態様は、ハロゲン化銀、膨潤性インクジェット受容層、感熱色素受容層または電子写真層またはそれらの組み合わせを含むことができる。この要素としては、反射性の観察を意図したものが挙げられ、これは通常は不透明な支持体を有しており、そして透過光による観察を意図したものが挙げられ、これは通常は透明な支持体を有している。] [0062] 1つの態様は、支持体およびその1方の側に色素画像受容層を含む、感熱色素転写用の色素受容要素を作る方法を指向しており、色素画像受容層と支持体の間には、少なくとも1つの色素受容層とともに共押出によって作られた接合層があり、この接合層の組成は、ポリオレフィン含有バインダーおよび、予め選定された帯電防止剤を有し、上記のような接着性および粘弾性を有する熱可塑性の帯電防止性のポリマー、を含んでいる。最終的な製品中のこの色素受容層の総厚さは、10ミクロン未満、好ましくは1〜5ミクロン厚であり、接合層の厚さもまた、好ましくは10ミクロン以下、好ましくは1〜5ミクロン厚である。] [0063] 本発明の画像受容層は、感熱画像受容層、好ましくは米国出願特許公開第2005/0009699号明細書として公開された米国出願番号第10/614379号、第2006/0189482号明細書として公開された米国出願番号第11/406178号に記載されているものであり、この両方を参照することによって本明細書の内容とする。本発明とともに用いられる受容もしくは記録要素の、感熱インクまたは色素画像受容もしくは記録層は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(カプロラクトン)またはそれらの混合物を含むことができる。インクまたは色素画像受容もしくは記録層は、意図した目的のために有効であることができるいずれかの量で存在することができる。インクまたは色素受容もしくは記録層上に、例えば米国特許第4,775,657号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に記載されているように、オーバーコート層が更に被覆されえていてもよい。] [0064] 本発明とともに用いられる、インクまたは色素受容もしくは記録要素とともに用いることができるインクまたは色素供与体要素は、通常は支持体を含んでおり、支持体上にインクまたは色素含有層を有している。] [0065] 熱の作用によってインクまたは色素受容もしくは記録層へ転写可能である限り、如何なるインクまたは色素でも、本発明に用いられるインクまたは色素供与体に使用することができる。本発明における使用に適用可能なインクまたは色素供与体は、例えば、米国特許第4,916,112号、第4,927,803号および第5,023,228号の各明細書に記載されており、これらの全てを参照することによって本明細書の内容とする。前述のように、インクまたは色素供与体要素を使用して、インクまたは色素転写画像を形成させることができる。このような方法は、インクまたは色素供与体要素を像様加熱し、そして上述のインクまたは色素受容もしくは記録要素にインクまたは色素画像を転写させてインクまたは色素転写画像を形成することを含む。この感熱インクまたは色素転写印刷法は、シアン、マゼンタ、およびイエローのインクまたは色素の逐次繰り返し領域でコートされたポリエチレンテレフタレート支持体を含んでなるインクまたは色素供与体要素を用いることができ、そして各々の色についてインクまたは色素転写工程が逐次的に行うことができ、3色のインクまたは色素転写画像を形成することができる。この方法を単一の色についてのみ行った場合には、モノクロのインクまたは色素転写画像を得ることができる。] [0066] 色素受容要素とともに用いることができる色素供与体要素は、通常は支持体を含んでおり、その上には色素含有層を有している。] [0067] どのような色素も、それが熱の作用によって色素受容層へと転写可能である限り、色素供与体要素の色素層中に用いることができる。昇華性の色素で、特に良好な結果が得られている。] [0068] 好ましい態様では、少なくとも下記の構造Iの第1のマゼンタ色素、および場合によっては構造IIの第2のマゼンタ色素を含む、マゼンタ色素を単独で、または組み合わせで用いる。] [0069] ] [0070] ここで、XはNR3R4基またはヒドロキシル基を表し、R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、独立してアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、もしくはシクロアルキル基から選ばれ;Y1およびY2はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子から選ばれ、但しY1およびY2の1つは窒素原子であり;Zは、窒素含有の5もしくは6員ヘテロ環を形成するのに必要な原子団を表し、この5もしくは6員ヘテロ環は他の環と縮合していてもよく;そしてR1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アセトアミド、スルホンアミド、アリール、アラルキル、またはシクロアルキル基から選ばれる。] [0071] ] [0072] ここで、R1は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表し;R2は1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、6〜10個の炭素原子を有するアリールオキシ基、ナフトキシ、NHR5、NR5、またはR6;R3およびR4はそれぞれ独立してR1、またはR3およびR4のいずれかもしくは両方は、芳香環の炭素原子と、アニリノ窒素の結合位置に対してオルト位で結合して5もしくは6員環を形成することができ、またはR3およびR4は、互いに結合して、それらが結合している窒素と5もしくは6員環を形成することができ;R5およびR6は独立して1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表し、またはR5およびR6は互いに結合して、それらが結合している窒素とともに5もしくは6員ヘテロ環を形成することができ;そしてZは水素または5もしくは6員環を完成するのに必要な原子を表す。更なるマゼンタ色素をこの組成物に加えることができる。] [0073] 構造Iの色素の1種または2種以上を、総量で、この組成物の10〜90質量%、例えばこの組成物の15〜90質量%、または25〜75質量%含むことができる。構造Iは次の通りである。] [0074] ] [0075] ここで、XはNR3R4基またはヒドロキシル基を表し、R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、独立してアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、もしくはシクロアルキル基から選ばれ;Y1およびY2はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子から選ばれ、但しY1およびY2の1つは窒素原子であり;Zは、窒素含有の5もしくは6員ヘテロ環を形成するのに必要な原子団を表し、この5もしくは6員ヘテロ環は他の環と縮合していてもよく;そしてR1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アセトアミド、スルホンアミド、アリール、アラルキル、またはシクロアルキル基から選ばれる。態様によっては、構造Iで、Y1は炭素原子であることができ、Y2は窒素原子であることができ、XはNR3R4基であることができ、ここでR3およびR4は同じかもしくは異なるアルキルであってよく、Zは5員の窒素含有複素環であることができ、R1は水素もしくはアルキル基であることができ、そしてR2はアルキル基であることができる。] [0076] 構造Iの色素は下記のものであることができる。] [0077] ] [0078] ここでR3およびR4は同じかもしくは異なっていてよく、そして独立してアルキルおよびアルケニルから選ばれ;R2はC1−6アルキル基であることができ;そしてR5はC1−10アルキル基、C5−7シクロアルキル基、またはC6−10アリール基であることができる。態様によっては、構造Iの色素は下記のものであることができる。] [0079] ] [0080] 構造I、IaおよびIbの色素を形成する方法は当技術分野で知られており、そして例えば、米国特許第5,476,943号明細書および第5,532,202号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に見出すことができる。] [0081] 構造IIのマゼンダ色素をこの組成物中に含むことができる。構造IIの色素の1種または2種以上を、総量で、この組成物の10〜90質量%、例えばこの組成物の10〜85質量%、または25〜75質量%含むことができる。構造IIのマゼンタ色素は下記の式を有している。] [0082] ] [0083] ここで、R1は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表し;R2は1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、6〜10個の炭素原子を有するアリールオキシ基、ナフトキシ、NHR5,NR5,またはR6を表し;R3およびR4はそれぞれ独立してR1であるか、またはR3およびR4のいずれかもしくは両方は、芳香環の炭素原子と、アニリノ窒素の結合位置に対してオルト位で結合して5もしくは6員環を形成することができ、またはR3およびR4は、互いに結合して、それらが結合している窒素と5もしくは6員環を形成することができ;R5およびR6はそれぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基であるか、またはR5およびR6は、互いに結合して、それらが結合している窒素とともに、5もしくは6員複素環を形成することができ、そしてZは、水素または5もしくは6員環を完成するのに必要な原子を表す。] [0084] 態様によっては、構造II中で、R1はフェニルまたはメチルであることができ;R3およびR4はそれぞれ独立してメチルまたはエチルから選ばれ;そしてR2はNR5R6であることができ、ここでそれぞれのR5およびR6は独立してメチルまたはエチルから選ばれる。態様によっては、構造IIは下記の通りであることができる。] [0085] ] [0086] マゼンタ色素複合体は、構造Ibおよび構造IIaの組み合わせであることができる。] [0087] 当技術分野で知られている更なるマゼンタ色素を、構造IおよびIIのマゼンタ色素を含むマゼンタ色素複合体に加えることができる。例えば、知られているマゼンタとしては、MSレッドG(MS Red G)(三井東圧化学社によって作られた、ディスパースレッド60)、マクロレックスバイオレットR(Macrolex Violet R)(バイエル(Bayer)によって作られたディスパースバイオレット26)および下記に示す構造IIIおよびIVの色素が挙げられる。例としての更なる色素としては、下記の構造IIIa、IVaおよびIVbの構造の色素、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。 構造IIIの色素は、下記の通りである。] [0088] ] [0089] ここで、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシから選ばれる。態様によっては、R1およびR2は水素であることができ、構造IIIaの色素を生み出す。] [0090] ] [0091] 構造IVの色素は、下記の通りである。] [0092] ] [0093] ここで、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキルもしくはアリル、C5−7シクロアルキル、C5−10アリールであり、またはR1およびR2は統合されて5もしくは6員複素環を形成し、この5もしくは6員複素環はR1およびR2が結合している窒素、および窒素原子に結合した炭素に対してオルトのどちらかの炭素原子、を含むことができ;R3は水素、C1−6アルキル、C5−10アリール、アルキルチオ、またはハロゲンであり;R4はシアノ、チオシアナート、アルキルチオ、またはアルコキシカルボニルであり;そしてR5はC1−6アルキル、C5−10アリール、またはNHAであり、ここでAはアシルまたはスルホニル基である。例として、構造IVの色素は下記のものを含む。] [0094] ] [0095] ここに記載したマゼンタ色素複合体は、感熱色素供与体要素の色素供与体層中で、感熱印刷による画像形成に用いることができる。色素供与体層は、マゼンタ色素複合体単独、または感熱印刷に好適な色素を含む複数の着色された領域(断片(patches))を含むことができる。ここで用いられる「色素」は、1種または2種以上の色素、顔料、着色剤、またはそれらの組み合わせであることができ、そして場合によっては当技術分野の実務者に知られているバインダーまたは担体中にあることができる。例えば、色素層はマゼンタ色素複合体を含むことができ、そして更に、少なくとも1種のビスピラゾロンメチン色素および少なくとも1種の他のビラゾロンメチン色素を含むイエロー色素供与体断片(patch)、ならびに少なくとも1種のインドアニリン色素を含むシアン色素供与体断片を含む。] [0096] 熱によって転写可能ないずれかの色素も、色素供与体要素の色素供与体層中で用いることができる。この色素は、色調、耐光堅牢度、ならびに色素の色素供与体層バインダーおよび色素画像受容層バインダー中への溶解度を考慮に入れて選択することができる。好適なマゼンタ色素複合体は上記で議論したものである。] [0097] 昇華性色素の例としては、アントラキノン色素、例えばSumikalon Violet RS(登録商標)(住友化学株式会社)、Dianix Fast Violet 3RFS(登録商標)(三菱化学工業株式会社)、およびKayalon Polyol Brilliant Blue NBGM(登録商標)とKST Black 146(登録商標)(日本化薬株式会社);アゾ色素、例えばKayalon Polyol Brilliant Blue BM(登録商標)、Kayalon Polyol Dark Blue 2BM(登録商標)、およびKST Black KR(登録商標)(日本化薬株式会社)、Sumickaron Diazo Black 5G(登録商標)(住友化学株式会社)およびMiktazol Black 5GH(登録商標) (三井東圧化学株式会社);直接色素、例えばDirect Dark Green B(登録商標)(三菱化学工業株式会社)およびDirect Brown M(登録商標)とDirect Fast Black D(登録商標)(日本化薬株式会社);酸性色素、例えばKayanol Milling Cyanine 5R(登録商標)(日本化薬株式会社);塩基性色素、例えばSumicacryl Blue 6G(登録商標)(住友化学株式会社)およびAizen Malachite Green(登録商標)(保土ヶ谷化学株式会社);または米国特許第4,541,830号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に開示されているいずれかの色素が挙げられる。上記の色素は単独で、または組み合わせて、単色を得るために用いることができる。これらの色素は、約0.05〜約1g/m2の被覆率で用いることができ、そして好ましくは疎水性である。] [0098] 更なるマゼンタ、イエローおよびシアン色素を含む更なる好適な色素の例としては、ジアリールメタン色素;トリアリールメタン色素;チアゾール色素、例えば、5−アリールイソチアゾールアゾ色素;メロシアニン色素などのメチン色素、例えば、アミノピラゾロンメロシアニン色素;インドアニリン色素などのアゾメチン色素、アセトフェノンアゾメチン色素、ピラゾロアゾメチン色素、イミダゾールアゾメチン色素、イミダゾアゾメチン色素、ピリドンアゾメチン色素およびトリシアノプロペンアゾメチン色素などのアゾメチン色素;キサンテン色素;オキサジン色素;ジシアノスチレン色素およびトリシアノスチレン色素などのシアノメチレン色素;チアジン色素;アジン色素;アクリジン色素;ベンゼンアゾ色素、ピリドンアゾ色素、チオフェンアゾ色素、イソチアゾールアゾ色素、ピロールアゾ色素、ピラールアゾ色素、イミダゾールアゾ色素、チアジアゾールアゾ色素、トリアゾールアゾ色素およびジスアゾ色素などのアゾ色素;α−シアノアリーリデンピラゾロン色素およびアミノピラゾロンアリーリデン色素などのアリーリデン色素;スピロピラン色素;インドリノスピロピラン色素;フルオラン色素;ローダミンラクタム色素;2−カルバモイル−4−[N−(p−置換アミノアリール)イミノ]−1,4−ナフタキノン色素などのナフトキノン色素;アントラキノン色素;およびキノフタロン色素が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に使用できる色素の具体例としては、C.I.(カラーインデックス)Disperse Yellow 51、3、54、79、60、23、7および141;C.I. Disperse Blue 24、56、14、301、334、165、19、72、87、287、154、26および354;C.I. Disperse Red 135、146、59、1、73、60および167;C.I. Disperse Orange 149;C.I. Disperse Violet 4、13、36、56および31;C.I. Disperse Yellow 56、14、16、29および231;C.I. Solvent Blue 70、35、36、50、49、111、105、97および11;C.I. Solvent Red 135、81、18、25、19、23、24、143、146および182;C.I. Solvent Violet 13;C.I. Solvent Black 3;およびC.I.Solvent Green 3を挙げることができる。] [0099] 使用可能な昇華性または拡散性色素の更なる例としては、アントラキノン染料、例えば、Sumikalon Violet RS(登録商標)(住友化学(株)製)、Dianix Fast Violet 3R-FS(登録商標)(三菱化学(株)製)およびKayalon Polyol Brilliant Blue N-BGM(登録商標)とKST Black 146(登録商標)(日本化薬(株)製);アゾ染料、例えば、Kayalon Polyol Brilliant Blue BM(登録商標)、Kayalon Polyol Dark Blue 2BM(登録商標)およびKST Black KR(登録商標)(日本化薬(株)製)、Sumickaron Diazo Black 5G(登録商標)(住友化学(株)製)およびMiktazol Black 5GH(登録商標)(三井東圧化学(株)製);直接染料、例えば、Direct Dark Green B(登録商標)(三菱化学(株)製)およびDirect Brown M(登録商標)とDirect Fast Black D(登録商標)(日本化薬(株)製);酸性染料、例えば、Kayanol Milling Cyanine 5R(登録商標)(日本化薬(株)製)ならびに;塩基性染料、例えば、Sumicacryl Blue 6G(登録商標)(住友化学(株)製)およびAizen Malachite Green(登録商標)(保土谷化学(株)製)、が挙げられる。] [0100] 他の好ましい態様では、少なくとも1種の下記の構造XXの第1のシアン色素を含むシアン色素を、単独でまたは組み合わせて用いる。] [0101] ] [0102] ここでR1およびR2はそれぞれ独立して、水素、1〜約6個の炭素原子を含むアルキル基、5〜約7個の炭素原子を有するシクロアルキル基;アリル;または例えばアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアノ、ヒドロキシ、アシルオキシ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、カルバモイルオキシ、アシルアミド、ウレイド、イミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、トリフルオロメチルなど、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシエチル、ベンジル、2−メタンスルホンアミドエチル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、メトキシカルボニルメチル、シクロへキシル、シクロペンチル、フェニル、ピリジル、ナフチル、チエニル、ピラゾリル、p−トリル、p−クロロフェニル、m−(N−メチルスルファモイル)フェニルメチル、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、メタンスルホニル、ペンタンスルホニル、メトキシ、エトキシ、2−メタン−スルホンアミドエチル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、メトキシカルボニルメチル、イミダゾリル、ナフチルオキシ、フリル、p−トリルスルホニル、p−クロロフェニルチオ、m−(N−メチルスルファモイル)フェノキシ、エトキシカルボニル、メトキシエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、N,N−ジメチルカルバモイル、ジメチルアミノ、モルフォリノ、アニリノ、ピロリジンなど、の1種または2種以上の基で置換されたこのようなアルキル、シクロアルキルまたはアリル基;それぞれのR3は独立して、水素、上記のR1およびR2について記載したような置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキルまたはアリル;アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、チオシアノ、アシルアミド、ウレイド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、またはトリフルオロメチル、またはR3のいずれかの2つは互いに結合して5もしくは6員の炭素環式の、または複素環式の環を形成していてもよく、またはR3の1つもしくは2つは、R1およびR2のいずれか一方もしくは両方と結合して5〜7員環を完成させることができ;mは0〜4の整数であり;Xは水素、ハロゲンを表し、またはYとともに結合して6員芳香環を完成させて、従って縮合した二環式のキノンイミン、例えばナフトキノンイミンを形成するのに必要な原子を表していてもよく、JはNHCOR4、NHCO2R4、NHCONHR4またはNHSO2R4を表し;そして但しながら、XがYと結合している場合は、JはCONHR4、SO2NHR4、CN、SO2R4またはSCNを表し、この場合には、しかしながらR4は水素ではなく;R4はR1と同じかまたは、約6〜約10個の炭素原子を有するアリール基、約5〜約10個の原子を有するヘタリール基、またはR1およびR2について上記で列挙したような1種または2種以上の基で置換されたこのようなアリールもしくはヘタリール基;そしてYはR4と同じかまたはアシルアミノまたは上記のようにXと互いに結合していてもよい。] [0103] 他の好適なシアン染料には、Kayaset Blue 714(Solvent Blue 63、日本化薬(株)製)、Phorone Brilliant Blue S-R(Disperse Blue 354、サンド株式会社製)、Solvent Blue63、および下記の構造のシアン染料がある。] [0104] ] [0105] ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基を表し、あるいはR1とR2は、複素環基を閉じるのに必要な原子を共に表し、あるいはR1および/またはR2はR6および/またはR7と共に、ベンゼン環に縮合した複素環基を閉じるに必要な原子を表し;R3およびR4は、それぞれ独立に、アルキル基またはアルコキシ基を表し;R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボンアミド基、スルファミド基、ヒドロキシ、ハロゲン、NHSO2R9、NHCOR9、OSO2R9またはOCOR9を表し、あるいは、R5とR6は共におよび/またはR7とR8は共に、ベンゼン環に縮合している1つまたは2つ以上の複素環基を閉じるに必要な原子を表し、あるいは、R6および/またはR7は、R1および/またはR2とともに、ベンゼン環に縮合している複素環を閉じるに必要な原子を表し;R9は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基および複素環基を表す。] [0106] 他の好ましい態様では、下記の構造Xの少なくとも1種の第1のイエロー色素を含むイエロー色素を、単独でまたは組み合わせて用いる。] [0107] ] [0108] ここでR1およびR2はそれぞれ独立して選択され、そして置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基または置換されていてもよいアリール基であることができ;そしてR3およびR4はそれぞれ独立して選択され、そして置換されていてもよい低級アルキル基、ジアルキルアミノ基、−COOR5基または−CONR6基(R5は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、または置換されていてもよいアリール基である)であることができ、そしてR6およびR7は、それぞれ独立して選択され、そして水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基または置換されていてもよいアリール基であることができる。] [0109] 構造Xの好ましいイエロー色素は、特に下記の構造を有している。] [0110] ] [0111] 他の好ましい態様では、下記の構造XIの少なくとも1種の第1のイエロー色素を含むイエロー色素を、単独でまたは組み合わせて用いる。] [0112] ] [0113] ここでR1は、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基;約5〜約7個の炭素原子を有するシクロアルキル基または約6〜約10個の炭素原子を有するアリール基を表し;R2は、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルコキシ基;約6〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリールオキシ基;NHR6;NR6R7またはベンゼン環に縮合している6員環を完成させるのに必要な原子を表し;R3およびR4はそれぞれR1を表し;またはR3およびR4は互いに結合して、それらが結合する窒素とともに5もしくは6員の複素環を形成することができ;R5は水素、ハロゲン、カルバモイル、アルコキシカルバモイル、アシル、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキルまたはアルコキシ基、約5〜約7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、約6〜約10個の炭素原子を有するアリール基、またはジアルキルアミノ基を表し;R6およびR7はそれぞれ独立して、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基、約5〜約7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、約6〜約10個の炭素原子を有するアリール基を表し;R6およびR7は互いに結合して、それらが結合する窒素とともに5もしくは6員の複素環を形成していてもよく;そしてZは、水素または5もしくは6員環を完成させるのに必要な原子を表す。] [0114] 構造XIの好ましいイエロー色素は下記の構造を有している。] [0115] ] [0116] 他の好ましい態様では、下記の構造XIIの少なくとも1種の第1のイエロー色素を含むイエロー色素を、単独でまたは組み合わせて用いる。] [0117] ] [0118] ここでRは、1〜約6個の炭素原子の置換もしくは非置換アルキル基または約6〜約10個の炭素原子の置換もしくは非置換アリール基を表し;R1およびR2はそれぞれ独立して、水素(但し、同時にはR1およびR2の内の1つだけが水素であることができる)、1〜約6個の炭素原子の置換もしくは非置換アルキル基または約6〜約10個の炭素原子の置換もしくは非置換アリール基を表し;またはR1およびR2は、それらが結合する窒素とともに、互いに結合して複素環系を形成していてもよく;R3はRであり;nは0または1を表し;そしてZは5もしくは6員の置換もしくは非置換複素環を完成させるのに必要な原子を表す。] [0119] 構造XIIの好ましいイエロー色素は、特に下記の構造を有している。] [0120] ] [0121] 他の好ましい態様では、下記の構造XIIIの少なくとも1種の第1のイエロー色素を含むイエロー色素を、単独でまたは組み合わせて用いる。] [0122] ] [0123] ここでR1は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはシクロアルキル基;R2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基または置換されていてもよいアリールチオ基であり、R3は、3〜5個の炭素原子を有する分岐アルキル基、O−置換オキシカルボニル基、N−置換アミノカルボニル基(N−置換基は環、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1種もしくは2種以上のヘテロ原子の2もしくは3個以上を有する置換もしくは非置換複素環、を形成していてもよい)である。] [0124] 構造XIIIの好ましいイエロー色素は下記の構造を有している。] [0125] ] [0126] 他の好適なイエロー色素としては、Phorone Brilliant Yellow S- 6 GL(Disperse Yellow 231、サンド株式会社製)およびMacrolex Yellow 6G(Disperse Yellow 201、バイエル社(Bayer)製)および下記の構造のイエロー色素を挙げることができる。] [0127] ] [0128] 有用な色素の更なる例を、米国特許第4,541,830号明細書、第4,698,651号明細書、第4,695,287号明細書、第4,701,439号明細書、第4,757,046号明細書、第4,743,582号明細書、第4,769,360号明細書、第4,753,922号明細書、第4,910,187号明細書、第5,026,677号明細書、第5,101,035号明細書、第5,142,089号明細書、第5,374,601号明細書、第5,476,943号明細書、第5,532,202号明細書、第5,804,531号明細書、第6,265,345号明細書、および米国特許出願公開第2003/0181331号明細書中に見出すことができ、これらを参照することによって本明細書の内容とする。] [0129] これらの色素は、単独で、または組み合わせて用いて単色色素供与体層または黒色色素供与体層を得ることができる。これらの色素は、被覆率が0.05g/m2〜1g/m2の量で用いることができる。種々の態様では、これらの色素は疎水性であることができる。] [0130] 上記のように、色素供与体要素は、色素転写画像を形成するために用いることができる。このようなプロセスは、色素供与体要素を像様加熱し、そして色素画像を上記のような色素受容要素へ転写して、色素転写画像を形成することを含んでいる。] [0131] 順次的に繰り返されたシアン、マゼンタおよびイエロー色素の領域で被覆された、ポリ(エチレンテレフタレート)支持体を含む色素供与体要素を用いることができ、そして色素転写工程は、それぞれの色で、3色の色素転写画像を得るように順次的に実施される。もちろん、このプロセスが単色でのみ実施された場合には、単色色素転写画像を得ることができる。また、色素供与体要素は色のない領域を含むこともでき、それは受容要素に保護被覆を与えるように転写することができる。この保護被覆は、最大の画像色素密度を印刷するのに用いられるエネルギー水準の85%に等しいエネルギー水準で均一に加熱することによって受容要素に転写することができる。] [0132] インクまたは色素を、インクまたは色素供与体要素から、本発明で用いる受容もしくは記録要素に転写するのに用いることができる感熱印刷ヘッドは、商業的に入手可能である。例えば、Fujitsu Thermal Head(FTP-040 MCS001)、TDK Thermal Head F415 HH7-1089、またはRohm Thermal HeadKE2008-F3を用いることができる。あるいは、感熱インクもしくは色素転写用の他の知られているエネルギー源、例えば英国特許出願公開第2,083,726号明細書中(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているようなレーザー、を用いることができる。] [0133] 感熱インクもしくは色素転写集成体は、(a)インクもしくは色素供与体要素、および(b)上述のインクもしくは色素受容または記録要素を含んでいてよく、インクもしくは色素受容または記録要素は、インクもしくは色素供与体要素のインクもしくは色素層が、受容または記録要素のインクもしくは色素画像受容または記録層と接触できるようにインクもしくは色素供与体要素と重ね合わされた関係にある。] [0134] 3色画像を得ようとする場合、上記集成体は、感熱印刷ヘッドによって熱を加えることができる時間の間の3回の機会で形成することができる。第一の色素を転写させた後、それらの要素を剥がすことができる。次に、第二の色素供与体要素(または異なる色素領域を備えた供与体要素の別の領域)と色素受容もしくは記録要素との見当を合わせ、そして当該方法が繰り返される。同じ様式で第三の色も得ることができる。] [0135] 色素転写色素画像受容層は、通常はポリマーバインダーを含むであろう。典型的なポリマーバインダーは、ポリエステルまたはポリカーボネートであることができる。好ましい態様では、ポリマーバインダーはポリエステルとポリカーボネートポリマーの両方を含んでいる。通常は、バインダーのポリエステルのポリカーボネートに対する質量比は、1に対して0.8〜4.0の範囲である。] [0136] また、感熱色素転写色素画像受容層は、しばしば他の添加剤を含むことが望ましい可能性がある。滑剤を、印刷機を通す際の向上した搬送を可能にするために添加することができる。滑剤の例としては、ポリジメチルシロキサン含有共重合体がある。好ましい滑剤は、ビスフェノールA、ジエチレングリコールおよびポリジメチルシロキサンブロック単位のポリカーボネートランダム三元共重合体であることができ、そして画像記録層の10質量%〜30質量%の量で存在することができる。感熱色素転写色素画像受容層中に含むことができる他の添加剤としては、可塑剤がある。用いることができる典型的な可塑剤は、エステルまたはポリエステルを含んでいる。好ましい可塑剤は、1,3−ブチレングリコールアジピン酸エステルおよびジオクチルセバシン酸エスエルの混合物であることができる。この可塑剤は、通常は色素転写色素画像受容層中に、合わせた総量で、色素受容層の4質量%〜20質量%存在するであろう。] [0137] 画像受容要素はまた、膨潤性のインクジェット受容もしくは記録要素を含むことができる。本発明を用いるこのインクジェット記録要素は、高い光学的密度および良好な色域を有する記録された画像を生成するために、この要素の画像形成性表面に適用された可能な限り大量のインクを吸収もしくは受容することができることが望ましいであろう。本発明の好ましい態様の1つは、インクジェット記録層を備えた画像記録要素である。] [0138] 記録要素を画像形成するのに用いられるインクは、当技術分野でよく知られている。インクジェット印刷に用いられるインク組成物は、通常は、溶媒もしくは担体液、色素、湿潤剤、有機溶媒、洗浄剤(detergents)、増粘剤、保存剤を含む液体組成物であることができる。溶媒もしくは担体液は、単独の水、または他の水と混和性の溶媒、例えば多価アルコールと混合された水であることができる。インク中で有機材料、例えば多価アルコールが主な担体もしくは溶媒液であることができるインクもまた用いることができる。特に有用なものは、水と多価アルコールの混合溶媒である。このような組成物中で用いられる色素は、典型的には水溶性の直接もしくは酸性型の色素であることができる。このような液体組成物は、例えば米国特許第4,381,946号明細書、第4,239,543明細書および第4,781,758明細書(参照することによって本明細書の内容とする)を含む従来技術において、広範囲に開示されている。] [0139] いずれかの知られたインクジェット受容層は、他の粒子状材料と組み合わせて用いることができる。例えば、インク受容もしくは記録層は、無機酸化物粒子、例えばシリカ、変性シリカ、クレー、アルミナ、可融性ビーズ、例えば熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーを含むビーズ、非可融性有機ビーズ、または親水性ポリマー、例えば天然親水性コロイドおよびゴム、例えばゼラチン、アルブミン、グアル、キサンタン、アカシア、キトサン、デンプンおよびそれらの誘導体、天然ポリマーの誘導体、例えば官能化タンパク質、官能化ゴムおよびデンプン、およびセルロースエーテルおよびそれらの誘導体、および合成ポリマー、例えばポリビニルオキサゾリン、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリオキシド、ポリエーテル、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、n−ビニルアミド含有ポリアクリルアミドおよびポリビニルピロリドン、およびポリ(ビニルアルコール)、その誘導体および共重合体、およびこれらの材料の組み合わせから主になることができる。親水性ポリマー、無機酸化物粒子、および有機ビーズは、基材もしくは支持体上の、1つまたは2つ以上の層中に、そして層の内部に種々の組み合わせで、存在することができる。] [0140] 必要であれば、インク受容もしくは記録層は、インク透過性の、粘着防止保護層、例えば、セルロース誘導体またはカチオン変性セルロース誘導体、またはそれらの混合物を含む層で被覆されていてもよい。特に好ましい被覆は、ポリβ−1,4−無水グルコール−g−オキシエチレン−g−(2’−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムクロリドである。この被覆層は多孔質でないことが好ましいが、しかしながらインク透過性であってよく、そして水性のインクで要素上に印刷された画像の光学密度を向上させるように作用することができる。この被覆層はまた、インク受容もしくは記録層を磨耗、汚れおよび水による損傷から保護することができる。通常は、この被覆層は、0.1〜5μm、好ましくは0.25〜3μmの乾燥厚みで存在することができる。] [0141] 実際には、種々の添加剤を、インク受容もしくは記録層および被覆中に用いることができる。これらの添加剤としては、被覆性を向上させるための、そして乾燥したコーティングの表面張力を調整するための界面活性剤(surface active agents)、例えば1種もしくは複数の界面活性剤(surfactant(s))、pHを調整するための酸もしくは塩基、帯電防止剤、懸濁剤、酸化防止剤、コーティングを架橋するための硬化剤、酸化防止剤、UV安定剤、光安定剤、が挙げられる。更に、耐水性を向上させるために、媒染剤を少量(ベース層の2質量%〜10質量%)添加することもできる。有用な媒染剤が、米国特許第5,474,843号明細書中に開示されており、これを参照することによって本明細書の内容とする。] [0142] インクもしくは色素受容または記録層として有用な調合物は数多く知られている。その主な要件は、画像受容層(IRL)が、画像形成されて所望の色域および密度を生ずるように、インクと相溶性であることである。インク液滴が画像受容層(IRL)を通過する際に、インクもしくは色素が画像受容層(IRL)中に保持または媒染されることができ、一方で、インク溶媒は画像受容層(IRL)を自由に通過し、接合層(TL)によって迅速に吸収されることができる。更に、好ましくは画像受容層(IRL)調合物は水から塗布されるのがよく、接合層(TL)に対して適当な接着性を示し、表面光沢を容易に制御することを可能にする。例えば、米国特許第4,879,166号、第5,264,275号、第5,104,730号、第4,879,166号の各明細書、および日本国特許第1,095,091号、第2,276,671号、第2,276,670号、第4,267,180号、第5,024,335号、および第5,016,517号の各明細書(全てを参照することによって本明細書の内容とする)において、擬ベーマイトと特定の水溶性樹脂との混合物を含んでなる水系画像受容層(IRL)調合物が開示されている。米国特許第4,903,040号、第4,930,041号、第5,084,338号、第5,126,194号、第5,126,195号および第5,147,717号の各明細書(全てを参照することによって本明細書の内容とする)において、他のポリマーおよび添加剤といっしょに、ビニルピロリドンポリマーと特定の水分散性および/または水溶性ポリエステルとの混合物を含んでなる水系画像受容層(IRL)調合物が開示されている。米国特許第4,857,386号および第5,102,717号の各明細書(両方を参照することによって本明細書の内容とする)において、ビニルピロリドンポリマーとアクリル系またはメタクリル系ポリマーとの混合物を含んでなるインク吸収性樹脂層が開示されている。米国特許第5,194,317号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)および米国特許第5,059,983号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)において、ポリビニルアルコールをベースとする水性塗布可能な画像受容層(IRL)調合物が開示されている。米国特許第5,208,092号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)において、後に架橋することができるビニルコポリマーを含んでなる水系画像受容層(IRL)調合物が開示されている。] [0143] また、画像受容層(IRL)は、光沢、摩擦、および/または耐指紋性の制御を目的とする、種々の量および大きさの艶消し剤、表面の均一性を高め、乾燥塗膜の表面張力を調整するための界面活性剤、媒染剤、酸化防止剤、紫外線吸収性化合物、光安定剤を含有していてもよい。] [0144] また、画像形成された要素の耐久性を高める目的のために、画像受容層(IRL)にオーバーコートを施すのが望ましい。そのようなオーバーコートは、要素を画像形成させる前または後のいずれにおいて画像受容層(IRL)に適用してもよい。例えば、画像受容層(IRL)に、インクが自由に通過するインク透過層をオーバーコートすることができる。この種類の層は、米国特許第4,686,118号、第5,027,131号および第5,102,717号の各明細書(これらの全てを参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている。あるいは、オーバーコートは、要素を画像形成させた後に加えてもよい。この目的には、いずれの既知の積層用フィルムおよび装置を使用してもよい。上述の画像形成方法に使用されるインクは周知であり、インク調合物は特定の方法、すなわち、連続、圧電、または感熱方法に緊密に関係することが多い。従って、特定のインクを用いた方法によって、インクは、さまざまな量および組み合わせの溶媒、着色剤、防腐剤、界面活性剤、湿潤剤を含んでもよい。画像記録要素と組み合わせて使用するのに好ましいインクは、水系のものであることができる。] [0145] 1層または2層以上の下塗り層が、支持体の上、またはベースと画像記録層との間に存在していてもよい。これらの層は、帯電防止性能などの機能性を加える、比色を制御する、そして画像記録層のベースへの接着を向上させることができる。この層は、接着層、例えばハロゲン化フェノール、部分的に加水分解された塩化ビニル−コ−酢酸ビニルポリマー、塩化ビニリデン−アクリル酸メチル−イタコン酸三元共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル−アクリル酸三元共重合体またはグリシジル(メタ)アクリレートポリマーもしくはコポリマーであることができる。インク受容層と支持体の間に良好な結合を発現する他の化学的接着剤、例えばポリマー、コポリマー、反応性ポリマーもしくはコポリマー、を用いることができる。下塗り層中で用いられるポリマーバインダーは、好ましくは水溶性または水分散性ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(ビニルアセトアミド)、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル/ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキレンオキシド)、スルホン化もしくはリン酸化ポリエステルまたはポリスチレン、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジアン(collodian)、寒天、クズウコン、グアー、カラギーナン、トラガカント、キサンタン、ラムサン、ラテックス、例えばポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタタンラテックス、ポリエステルラテックス、またはポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)またはそれらの共重合体、であることができる。] [0146] 画像記録層は、当技術分野で通常用いられる慣用の被覆方法によって被覆することができる。被覆方法としては、線巻きロッドコーティング、ナイフコーティング、スロットコーティング、スライドホッパーコーティング、グラビアコーティング、スピンコーティング、浸漬コーティング、スキムパンエアーナイフコーティング、多層スライドビード、ドクターブレードコーティング、グラビアコーティング、反転ロールコーティング、カーテンコーティング、多層カーテンコーティング、が挙げられるが、これらには限定されない。これらの方法によっては、1層もしくは2層以上の層の同時コーティングが可能であり、これは、もし1層以上の層または1種以上の層を適用することが必要とされる場合には、製造上の経済的な観点から好ましい。既知の塗布方法および乾燥方法は、1989年12月に発行されたリサーチディスクロージャー(Research Disclosure) 、第308119号の1007〜1008頁に、更に詳細に記載されている。コーティングの後に、これらの層は通常は単純な蒸発によって乾燥されるが、これは対流加熱などの既知の技術によって加速することができる。] [0147] このコーティング組成物は、上記で列挙した従来の前計量または後計量のコーティング方法によって、基材もしくは支持体の一方または両方の表面に適用することができる。コーティング方法の選択は、操作の経済性から定まり、これは、次に、コーティング固形分、コーティング粘度、およびコーティング速度などの調合物の仕様を決定するであろう。] [0148] ここで用いられる用語「写真要素」は、画像の形成において感光性ハロゲン化銀を用いる材料である。この写真要素は白黒、単色要素または多色の要素であることができる。多色の要素は、スペクトルの3原色領域のそれぞれに感受性のある画像色素形成ユニットを含んでいる。それぞれのユニットは、与えられたスペクトル領域に感受性のある単一の乳剤層または多層の乳剤層を含むことができる。画像形成性ユニットの層を含む、要素のこれらの層は、当技術分野で知られている種々の順序で配置することができる。別のフォーマットにおいては、スペクトルの3原色領域の各々に対して感受性のある乳剤を単一の区分された層として配置することもできる。] [0149] 1つの態様では、本発明は、電子印刷法または慣用の光学焼付け法のいずれかによって露光された場合に、優れた性能を発現し得るハロゲン化銀写真要素を指向している。電子印刷法は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10−4エルグ/cm2の化学線に、10ミリ秒以下の継続時間の間、画素毎に曝すことを含み、このハロゲン化銀乳剤層は上記のようなハロゲン化銀粒子を含んでいる。慣用の光学焼付け法は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10−4エルグ/cm2の化学線に、10−3〜300秒間、像様モードで曝すことを含み、このハロゲン化銀乳剤層は上記のようなハロゲン化銀粒子を含んでいる。好ましい実際の用途では、それぞれの画素(pixel)を逐次的に、画像プロセッサーからのデジタルデータと同期させて露光する限りは、この利点は、実質的に人為的な影響のないデジタルのカラー印刷画像の増大した処理量へと転換することができる。本発明の特定の態様は、特に電子印刷および慣用の光学焼付けを指向しているけれども、本発明の乳剤および要素の用途は、これらの特定の態様には限定されない。] [0150] 本発明で用いられるディスプレー材料としては、画像形成性要素の上側もしくは上面および下側もしくは底面上に配置されたハロゲン化銀および色素形成カプラーを含む、少なくとも1つの画像形成層が好適である。画像形成性層を、上面または底面のいずれかに適用することは、写真ディスプレー材料には好適であるが、しかしながらこのことは、反射ディスプレーおよび透過ディスプレーの両方に最適の写真ディスプレー材料を作るのには十分ではない。本発明で用いられるディスプレー材料としては、画像形成支持体の上面および底面の両方の上に配置された少なくとも1つの色素形成カプラーを含む、少なくとも1つの画像形成層が好ましい。画像形成性層を支持体の上面および底面の両方に適用することで、ディスプレー材料が、この画像の反射性の鑑賞および透過性の鑑賞の両方に必要な密度を有することを可能にする。この両面塗りの「昼/夜」写真ディスプレー材料は、重大な商業的な価値を有しており、ここで昼/夜ディスプレー材料は、反射性の鑑賞および透過性の鑑賞の両方に用いることができる。従来技術のディスプレー材料は、透過性の鑑賞または反射性の鑑賞のいずれかに最適化されていたが、しかしながら両方同時にではなかった。] [0151] 両面塗りの乳剤被覆率は、銀およびカプラーの典型的な量を含む反射性の消費者用紙用の典型的な乳剤被覆率の、75%超〜175%未満の範囲なければならないことが見出された。前側の表面上の75%未満の被覆率では、満足な反射印刷を得ることができないことが判った。更に、裏側表面上の75%未満の被覆率では、満足な透過画像を得ることができない。175%超の被覆率は好ましくないが、それは材料費の増加のため、そして処理溶液中での長い現像時間が必要となるためでもある。より好ましい態様では、典型的な反射性の消費者カラー紙について、乳剤のレイダウン(laydowns)は100〜150%でなければならないことが見出された。] [0152] 色素形成カプラーの量が上側と底側上で実質的に同じであるディスプレー材料が最も好ましいが、それはそれが、50秒間未満の現像時間を可能とする一方で、画像密度の最適化を可能とするからである。更に、両側に、実質的に同量の感光性ハロゲン化銀乳剤をコーティングすることは、写真乳剤に通常見られる吸湿性ゲルの収縮と膨張によって引き起こされる画像の捩れに対して、画像要素を平衡させるという更なる利点を有している。] [0153] 有用な写真乳剤は、通常はコロイド状マトリックス中のハロゲン化銀の結晶を、当技術分野で慣用の方法によって沈殿させることによって、調製することができる。このコロイドは、通常は親水性のシート形成剤、例えばゼラチン、アルギン酸またはそれらの誘導体である。] [0154] この沈殿工程の中で形成された結晶は、洗浄され、そして次いで、分光増感色素および化学増感剤を添加することによって、並びに、乳剤温度を通常40℃から55〜70℃まで上昇させて特定の時間保持する加熱工程に付すことによって、化学増感および分光増感させてもよい。この乳剤の調製において用いられる沈殿並びに分光増感および化学増感の方法は、当該技術分野において既知の方法であることができる。] [0155] この乳剤の化学増感には、通常は増感剤、例えば硫黄含有化合物、例えばアリルイソチオシアネート、チオ硫酸ナトリウムおよびアリルチオ尿素、還元剤、例えばポリアミンおよび第一スズ塩、貴金属化合物、例えば金、白金、並びにポリマー剤、例えばポリアルキレンオキシドが用いられる。上記のように、化学増感を完結するために熱処理が用いられる。分光増感は、可視または赤外スペクトル内の目的の波長範囲に設計された色素との組み合わせで達せられる。このような色素を、熱処理の前に、間に、または後に加えることが知られている。] [0156] このハロゲン化銀乳剤は、如何なるハロゲン化物の分類を含んでいてもよい。従って、それらは、塩化銀、臭化銀、臭塩化銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、臭ヨウ塩化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭塩化銀、およびヨウ塩臭化銀の乳剤からなっていてもよい。しかしながら、この乳剤は、主に塩化銀乳剤であることが好ましい。主に塩化銀であるとは、50モル%を超える乳剤粒子が塩化銀であることを意味する。好ましくは、それらは90モル%超が塩化銀であり、最適には95モル%超が塩化銀である。] [0157] このハロゲン化銀乳剤は任意の大きさおよびモルフォロジーの粒子を含有することができる。従って、これらの粒子は、立方形、八面体、立方八面体、または立方格子タイプのハロゲン化銀粒子において自然に発生する任意の他のモルフォロジーの形をとっていてもよい。更に、これらの粒子は、球状粒子または平板状粒子などの不規則のものであってもよい。平板状または立方形のモルフォロジーを有する粒子が好ましい。] [0158] この写真要素には、T.H. James、The Theory of the Photographic Process、第4版、Macmillan Publishing Company, Inc.、1977年発行、p.151〜152(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている乳剤を用いることができる。ハロゲン化銀乳剤の写真感度を高めるための還元増感が知られている。還元増感されたハロゲン化銀乳剤は一般に良好な写真スピードを呈するけれども、それらには望ましくないカブリおよび貯蔵安定性が劣るという欠点があることが多い。] [0159] 還元増感は、還元増感剤(銀イオンを還元して金属銀原子を形成させる化学物質)を添加することにより、または還元性環境(例えば、高pH(水酸化物イオン過剰)および/または低pAg(銀イオン過剰))を提供することによって、意図的に実施することができる。ハロゲン化銀乳剤の沈殿中に、例えば、硝酸銀またはアルカリ溶液を迅速に添加するか、または混合が不十分な状態で添加して乳剤粒子を形成させた場合に、偶発的な還元増感が起こる場合がある。また、チオエーテル、セレノエーテル、チオ尿素、またはアンモニアなどの熟成剤(粒子成長調整剤)の存在下でハロゲン化銀乳剤を沈殿させると、還元増感が促進される傾向がある。] [0160] 沈殿または分光増感/化学増感の際に乳剤を還元増感するために使用してもよい還元増感剤および還元環境の例としては、米国特許第2,487,850号、第2,512,925号、および英国特許第789,823号の各明細書(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているアスコルビン酸誘導体、錫化合物、ポリアミン化合物、および二酸化チオ尿素系化合物が挙げられる。還元増感剤または還元条件の具体例、例えば、ジメチルアミンボラン、塩化第一錫、ヒドラジン、高pH(pH=8〜11)および低pAg(pAg=1〜7)での熟成、については、S. Collierによって、Photographic Science and Engineering、1979年、第23巻、p.113(参照することによって本明細書の内容とする)において議論されている。意図的に還元増感されたハロゲン化銀乳剤の調製方法の例は、欧州特許出願公開第0348934号(Yamashita)、欧州特許第0369491号(Yamashita)、第0371388号(Ohashi)、欧州特許出願公開第0396424号(Takada)、第0404142号(Yamada)、および第0435355号(Makino)の各明細書(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている。] [0161] この写真要素は、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)、1994年9月、アイテム36544、セクションI(Kenneth Mason Publications,Ltd.発行、Dudley Annex、12a North Street、Emsworth、Hampshire O107DQ、英国)(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている第VIII族金属、例えば、イリジウム、ロジウム、オスミウム、および鉄、でドープされた乳剤を使用するものであってもよい。更に、ハロゲン化銀乳剤の増感におけるイリジウムの使用についての一般的な要約は、Carrollの「Iridium Sensitization: A Literature Review」、Photographic Science and Engineering、1980年、第24巻、第6号(参照することによって本明細書の内容とする)、に含まれている。イリジウム塩および写真分光増感色素の存在下で乳剤を化学増感させることによってハロゲン化銀乳剤を製造する方法は、米国特許第4,693,965号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に記載されている。場合によっては、このようなドーパントを導入する際に、The British Journal of Photographic Annual、1982年、p.201〜203(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているカラーリバーサルE−6法で処理すると、乳剤は、調製直後のカブリの増加および低いコントラストの感度曲線(sensitometric curve)を示す。] [0162] 典型的な多色写真要素は、少なくとも1種のシアン色素形成カプラーを関連して有する赤感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含んでなるシアン色素画像形成ユニット;少なくとも1種のマゼンタ色素形成カプラーを関連して有する緑感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含んでなるマゼンタ画像形成ユニット;および少なくとも1種のイエロー色素形成カプラーを関連して有する青感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含んでなるイエロー色素画像形成ユニットを担持している積層支持体、を含んでなる。この要素は、例えばフィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗り層などの更なる層を含有していてもよい。また、この支持体を黒白写真プリント要素に用いることもできる。] [0163] (a)銀を基準にして50モル%超の塩素を含み、(b)表面積の50%超が{100}結晶面で与えられ、そして(c)全体の銀の95〜99%を占める中心部を有し、そして下記の分類要件: (i)下記の式、 (I) [ML6]n を満足する六座配位金属錯体(nは0、−1、−2、−3または−4であり;Mはイリジウム以外の満たされたフロンティア軌道の多原子価金属イオン;そしてL6は、独立して選択されてよい橋かけ配位子であるが、但しこれらの配位子の内の少なくとも4つはアニオン性の配位子であり、そしてこれらの配位子の少なくとも1つはシアノ配位子であるか、またはシアノ配位子よりもより陰電性の配位子である)、および (ii)トリアゾールまたは置換トリアゾール配位子を含む、イリジウム配位錯体、 のそれぞれを満足するように選択された2種のドーパントを含んでいる、ハロゲン化銀粒子を含む輻射線感受性乳剤を、本発明では用いることができる。] [0164] ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパント単独で得られるよりも、相反則の不成立のより大きな低減を与える。ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパントのクラスを単独で用いる場合に達成される単純な加法の合計を超えて、相反則の不成立の低減を達成する。ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、特に高い強度の短い継続時間の露光では、相反則の不成立のより大きな低減を与える。ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、更に、比較的に低水準のインジウムを用いて高い強度の相反性を達成させ、そして慣用のゼラチン系解膠剤(例えば、低メチオニンのゼラチン系解膠剤以外)を用いたとしても、高強度の相互性および低強度の相互性の向上の両方を達成させる。] [0165] 改善された相互性の性能は、(a)銀を基準にして50モル%超の塩素を含み、そして(b)表面積を50%超が{100}結晶面で与えられるハロゲン化銀について、クラス(i)の六座配位錯体ドーパントを、チアゾールもしくは置換チアゾール配位子を含むイリジウム錯体との組み合わせで用いることによって得ることができる。この相互性の改善は、慣用のゼラチン系解膠剤を用いたハロゲン化銀粒子で得られており、米国特許第5,783,373号明細書および第5,783,378号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中で説明されているドーパントの組み合わせについて記載されているコントラストの改善とは異なっており、その組み合わせは、そこで議論されているように、低メチオニンのゼラチン系解膠剤の使用が必要とされており、そしてそこでは、グラム当たり30マイクロモル超の水準のメチオニンを有するいずれかのゼラチン系解膠剤の濃度は、用いられる解膠剤の全体の1%未満の濃度に制限することが好ましいと述べられている。本乳剤のハロゲン化銀粒子のためのゼラチン系解膠剤としては、慣用のゼラチン(例えば、グラム当たり少なくとも30マイクロモルのメチオニンを有するゼラチン)の有意の量(すなわち、解膠剤全体の1質量%超)用いることが特に考慮される。グラム当たり少なくとも30マイクロモルのメチオニンを含むゼラチンを少なくとも50質量%で含むゼラチン系解膠剤を用いるが、それは、費用および特定の性能を理由として用いられる可能性がある酸化された低メチオニンのゼラチンの量を制限することがしばしば望ましいからである。] [0166] 式、 (I) [ML6]n (nは0、−1、−2、−3または−4であり;Mはイリジウム以外の満たされたフロンティア軌道の多原子価金属イオン、好ましくはFe+2、Ru+2、Os+2、Co+3、Rh+3,Pd+4もしくはPt+4、より好ましくは鉄、ルテニウムまたはオスミウムイオン、そして最も好ましくはルテニウムイオン;そしてL6は6つの橋かけ配位子を表し、独立して選択されてよいが、但しこれらの配位子の内の少なくとも4つはアニオン性の配位子であり、そしてこれらの配位子の少なくとも1つ(好ましくは少なくとも3つ、そして差異的には少なくとも4つ)はシアノ配位子であるか、またはシアノ配位子よりもより陰電性の配位子である)、を満足する、クラス(i)の六座配位錯体ドーパントを用いることを考慮することができる。いずれかの残りの配位子は、アクオ配位子、ハライド配位子(特にフルオリド、クロリド、ブロミドおよびヨージド)、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノシアネート配位子、テルロシアネート配位子およびアジド配位子を含む、種々の他の橋かけ配位子から選ぶことができる。6個のシアノ配位子を含む、クラス(i)の六座配位の遷移金属錯体が、特に好ましい。] [0167] 高塩化物粒子中に含有した、クラス(i)の六座配位錯体を特に考慮した例が、Olmらの米国特許第5,503,970号明細書およびDaubendiekらの米国特許第5,494,789号明細書と第5,503,971号明細書、およびKeevertらの米国特許第4,945,035号明細書、ならびにMurakamiらの日本特許出願第平2(1990)−249588号明細書、およびリサーチディスクロージャー(Research Disclosure) 、第36736号(全てを参照することによって本明細書の内容とする)によって与えられている。クラス(i)のドーパント六座配位錯体用の有用な中性およびアニオン性の有機配位子が、Olmらの米国特許第5,360,712号明細書およびKuromotoらの米国特許第5,462,849号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)によって開示されている。] [0168] クラス(i)のドーパントは、好ましくは銀の少なくとも50(最も好ましくは75、そして最適には80)%が沈殿してしまった後に、しかしながら該粒子の中心部の沈殿が完結してしまう前に、高塩化物粒子中に導入される。好ましくは、クラス(i)のドーパントは、銀の98(最も好ましくは95、そして最適には90)%が沈殿してしまう前に導入される。完全に沈殿した粒子構造に関していえば、クラス(i)のドーパントは、好ましくは、少なくとも50(最も好ましくは75、そして最適には80)%の銀を取り囲む内側殻領域中に存在し、そしてより中心の方に配置された銀が、中心部の全体(銀の99%)を占めており、最も好ましくは95%、そして最適には高塩化物粒子を形成するハロゲン化銀の90%を占めている。クラス(i)のドーパントは、上記で範囲を定めた内側殻領域を通して分配されていてよく、または該内側殻領域内部の1つまたは2つ以上の帯域として加えられていてもよい。] [0169] クラス(i)のドーパントは、いずれかの慣用の有用な濃度で用いることができる。好ましい濃度範囲は、銀のモル当たりに10−8〜10−3モル、最も好ましくは銀のモル当たりに10−6〜5×10−4モルである。] [0170] 以下は、クラス(i)のドーパントの具体的な例である:(i-1) [Fe(CN)6]-4;(i-2) [Ru(CN)6]-4;(i-3) [Os(CN)6]-4;(i-4) [Rh(CN)6]-3;(i-5) [Co(CN)6]-3;(i-6) [Fe(ピラジン)(CN)5]-4;(i-7) [RuCl(CN)5]-4;(i-8) [OsBr(CN)5]-4;(i-9) [RhF(CN)5]-3;(i-10) [In(NCS)6]-3;(i-11) [FeCO(CN)5]-3;(i-12) [RuF2(CN)4]-4;(i-13) [OsCl2(CN)4]-4;(i-14) [RhI2(CN)4]-3;(i-15) [Ga(NCS)6]-3;(i-l6) [Ru(CN)5(OCN)]-4;(i-17) [Ru(CN)5(N3)]-4;(i-18) [Os(CN)5(SCN)]-4; (i-19) [Rh(CN)5(SeCN)]-3;(i-20) [Os(CN)Cl5]-4;(i-21) [Fe(CN)3Cl3]-3;(i-22) [Ru(CO)2(CN)4]-1。] [0171] クラス(i)のドーパントが正味の負電荷を有している場合には、沈殿の間に反応容器中に加えられた時に、それらは対イオンと会合していることが判る。対イオンは重要ではなく、何故ならば、それは溶液中ではドーパントとイオン的に解離しており、そして粒子内部には組み込まれないからである。塩化銀沈殿物と完全に共存できることが知られている通常の対イオン、例えばアンモニウムおよびアルカリ金属イオンが想定される。下記に断りのない限り、同様の説明がクラス(ii)のドーパントに適用されることが指摘される。] [0172] クラス(ii)のドーパントは、少なくとも1つのチアゾールまたは置換チアゾール配位子を含むイリジウム配位錯体である。R. S. Eachus、R. E. GravesおよびM. T. Olm、J. Chem. Phys.、1978年、第69巻、p.4580〜4587およびPhysica Status Solidi A、1980年、第57巻、p.429〜437およびR. S. EachusおよびM. T. Olm、Annu. Rep. Prog. Chem. Sect. C. Phys. Chem.、1986年、第83巻、第3号、p.3〜48(全てを参照することによって本明細書の内容とする)に説明されているように、注意深い科学的な研究によって、第VIII族のヘキサハロ配位錯体が深い電子トラップを生み出すことが示されている。クラス(ii)のドーパントは、このような深い電子トラップを生み出すと信じられる。チアゾール配位子は、ハロゲン化銀粒子中へのドーパントの組み込みを妨げない、いずれかの写真用として受け入れ可能な置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、低級アルキル(例えば、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基)、そして特にはメチルが挙げられる。用いることができる置換されたチアゾール配位子の具体的な例としては、5−メチルチアゾールがある。クラス(ii)のドーパントは好ましくは、それぞれの配位子がシアノ配位子よりもより陽性である配位子を有するイリジウム配位錯体である。特に好ましい形態では、クラス(ii)のドーパントを形成する、残りのチアゾールでない、もしくは置換チアゾールでない配位子はハロゲン化物配位子である。] [0173] 米国特許第5,360,712号明細書、第5,457,021号明細書および第5,462,849号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)によって開示された有機配位子を含む配位錯体の中から、クラス(ii)のドーパントを選択することが特に想定される。] [0174] 好ましい形態では、下記の式を満足する六座配位錯体をクラス(ii)のドーパントとして用いることが想定される。 (II) [IrL16]n’ ここで、n’は0、−1、−2、−3または−4であり、そしてL16は6個の橋かけ配位子を表し、これらは独立して選択することができ、但し、これらの配位子の内の少なくとも4つはアニオン性配位子であり、それぞれの配位子はシアノ配位子よりもより陽性であり、そしてこれらの配位子の少なくとも1つはチアゾールもしくは置換チアゾール配位子を含んでいる。特に好ましい形態では、これらの配位子の内の少なくとも4つはハロゲン化物配位子、例えばクロリドもしくはブロミド配位子である。] [0175] クラス(ii)のドーパントは、好ましくは銀の少なくとも50(最も好ましくは85、そして最適には90)%が沈殿してしまった後に、しかしながら該粒子の中心部の沈殿が完結してしまう前に、高塩化物粒子中に導入される。好ましくは、クラス(ii)のドーパントは、銀の99(最も好ましくは97、そして最適には95)%が沈殿してしまう前に導入される。完全に沈殿した粒子構造に関していえば、クラス(ii)のドーパントは、好ましくは、少なくとも50(最も好ましくは85、そして最適には90)%の銀を取り囲む内側殻領域中に存在し、そしてより中心の方に配置された銀が、中心部の全体(銀の99%)を占めており、最も好ましくは97%、そして最適には高塩化物粒子を形成するハロゲン化銀の95%を占めている。クラス(ii)のドーパントは、上記で範囲を定めた内側殻領域を通して分配されていてよく、または該内側殻領域内部の1つまたは2つ以上の帯域として加えられていてもよい。] [0176] クラス(ii)のドーパントは、いずれかの慣用の有用な濃度で用いることができる。好ましい濃度範囲は、銀のモル当たりに10−9〜10−4モルである。イリジウムは最も好ましくは、銀のモル当たりに10−8〜10−5モルで範囲の濃度で用いられる。] [0177] クラス(ii)のドーパントの具体的な例は以下の通りである:ii-1) [IrCl5(チアゾール)]-2、(ii-2) [IrCl4(チアゾール)2]-1、(ii-3) [IrBr5(チアゾール)]-2、(ii-4) [IrBr4(チアゾール)2]-1、(ii-5) [IrCl5(5-メチルチアゾール)]-2、(ii-6) [IrCl4(5-メチルチアゾール)2]-1、(ii-7) [IrBr5(5-メチルチアゾール)]-2、(ii-8) [IrBr4(5-メチルチアゾール)2]-1。] [0178] 下記の式によって一般的に規定されるクラス(iii)の六座配位錯体ドーパントを用いることが想定することができる。 (III) [TE4(NZ)E’]r ここで、Tは周期律表の第5〜10族から包括的に選択される遷移金属であり、Zは酸素もしくは硫黄であり、そして窒素と共にニトロシルもしくはチオニトロシル配位子を形成しており、EおよびE’はニトロシルもしくはチオニトロシル配位子.に加えた配位子を表し、そしてrは0、−1、−2または−3である。好ましくは、この遷移金属は周期律表の第8族から選択される。最適には、この遷移金属は、オスミウムまたはルテニウムから選択される。Eで表される好ましい配位子の具体的な例としては、アクオ配位子、塩化物配位子、シアン化物配位子、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノシアネート配位子、テルロシアネート配位子、アジド配位子および米国特許第5,360, 712号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)中に記載された有機配位子が挙げられる。E’によって上記で規定される配位子は、E、ニトロシルまたはチオニトロシルのいずれかを表す。] [0179] 乳剤の速度およびコントラストを改質するための好ましいクラス(iii)の遷移金属ドーパントとしては、Os(NO)Cl5-2およびRu(NO)Br5-2が挙げられる。] [0180] 乳剤は、上記したようなクラス(i)、クラス(ii)およびクラス(iii)のドーパントの組み合わせを用いて、主に(>50%){100}の結晶面を有する慣用の高塩化物ハロゲン化銀粒子の沈殿を改質することによって、実現することができる。] [0181] 沈殿したハロゲン化銀粒子は、銀を基準として50モル%超の塩化物を含んでいる。好ましくは、この粒子は、銀を基準として、少なくとも70モル%の塩化物、最適には少なくとも90モル%の塩化物を含んでいる。ヨウ化物が、その溶解性の限度までこの粒子中に存在していてもよく、ヨウ化物はヨード塩化銀(silver iodochloride)粒子中に、通常の沈殿条件の下で、銀を基準として11モル%存在する。大抵の写真用途については、ヨウ化物は、銀を基準としてヨウ化物が5モル%未満、最も好ましくは2モル%未満に制限されることが好ましい。] [0182] 臭化銀および塩化銀は全ての比率で混合可能である。従って、ハロゲン化物全体の、塩化物およびヨウ化物で占められていない、50モル%以下のいずれかの比率が臭化物であることができる。カラーの反射印刷(すなわちカラー紙)用途では、臭化物は、通常は銀を基準として10モル%未満に制限されており、そしてヨウ化物は銀を基準として1モル%未満に制限されている。] [0183] 広く用いられている形態では、高塩化物粒子は、沈殿して、立方体粒子、すなわち、{100}主面および等しい長さの辺を有する粒子を形成する。実際には、熟成効果により、粒子の辺および角は、通常はある程度丸みを帯びる。しかしながら、極端な熟成条件を除けば、粒子の全体の表面積の実質的に50%超が、{100}結晶面によって占められている。] [0184] 高塩化物十四面体粒子は、立方体粒子の通常のバリアントである。これらの粒子は6つの{100}結晶面および8つの{111}結晶面を含んでいる。十四面体粒子は、全体の表面積の50%超の範囲まで{100}結晶面によって占められていることは想定内である。] [0185] カラー紙中に用いられる高塩化物粒子中へのヨウ化物の混合を避けるか、または最少化することが通常のやり方であるが、{100}結晶面および、場合によっては1つまたは2つ以上の{111}面を備えたヨード塩化銀(silver iodochloride)粒子は、例外的な水準の写真速度を与えることが最近観察されている。これらの乳剤では、ヨウ化物は銀を基準として0.05〜3.0モル%の全体の濃度で混合され、粒子は50オングストローム超の表面殻を有しており、表面殻は実質的にヨウ化物を含んでおらず、そして内側殻は最大のヨウ化物濃度を有していて、これが少なくとも全体の銀の50%を占める核を取り囲んでいる。このような粒子構造は、Chenらの欧州特許第0718679号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)によって説明されている。] [0186] 他の改善された形態としては、高塩化物粒子は、{100}主面を有する平版状の形態をとっていてもよい。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、その中で平板状粒子が、全粒子の投影面積の少なくとも70(最も好ましくは少なくとも90)%を占める乳剤である。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、少なくとも5(最も好ましくは少なくとも>8)の平均アスペクト比を有している。平板状粒子は、通常は0.3μm未満、好ましくは0.2μm未満、そして最適には0.07μm未満の厚さを有している。高塩化物{100}平板状粒子乳剤およびその調製は、米国特許第5,264,337号明細書、第5,292,632号明細書、米国特許第5,320,938号明細書、米国特許第5,314,798号明細書および米国特許第5,413,904号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)によって開示されている。] [0187] 主に{100}結晶面を有する高塩化物粒子が、上記のクラス(i)およびクラス(ii)のドーパントと組み合わせることでひとたび沈殿したら、化学および分光増感、それに続く、この乳剤を選択された画像形成用途に適合させるための慣用の付加物の添加は、いずれかの慣用の形態をとることができる。これらの慣用の特徴は、上記で引用したリサーチディスクロージャー(Research Disclosure) 、第38957号、特に、III. Emulsion washing、IV. Chemical sensitization、V. Spectral sensitization and desensitization、VII. Antifoggants and stabilizers、VIII. Absorbing and scattering materials、IX. Coating and physical property modifying addenda、およびX. Dye image formers and modifiersによって説明されている。] [0188] いくらかの更なるハロゲン化銀、通常は、銀の全体を基準として1%未満を、化学増感を促進するために加えることができる。また、ハロゲン化銀は、ホスト粒子上に、その感受性を増大させるために、選択されたサイトにエピタキシャルに堆積することができることが認識されている。例えば、コーナーエピタキシーを有する高塩化物{100}平板状粒子がMaskaskyの米国特許第5,275,930号明細書(参照することによって本明細書の内容とする)によって説明されている。明確な区別を提供する目的で、本明細書においては、「ハロゲン化銀粒子」という用語を用いて、粒子の最終的な{100}結晶面が形成される時点までの粒子形成に用いられる銀を包含することとする。その後堆積されたハロゲン化銀であって、粒子表面積の少なくとも50%を占めるように前もって形成された{100}結晶面に重ならなかったものは、ハロゲン化銀粒子を形成している全銀を特定する際には排除される。従って、選択されたサイトのエピタキシーを形成する銀は、ハロゲン化銀粒子の一部ではないけれども、堆積して粒子の最終的な{100}結晶面を提供するハロゲン化銀は、それが前もって析出したハロゲン化銀とは組成が著しく異なる場合でさえも、粒子を形成している全銀に含まれる。] [0189] この乳剤は、写真技術分野において既知のいずれかの色素、例えばポリメチン色素類で分光増感させてもよく、ポリメチン色素類としては、シアニン、メロシアニン、錯体シアニンおよび錯体メロシアニン、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリル、およびストレプトシアニンが挙げられる。特に、米国特許第5,392,634号、第5,316,904号、第5,418,126号、および第5,492,802号の各明細書(参照することによって本明細書の内容とする)において開示されている低汚染増感色素の中から選ぶのが有利であろう。蛍光増白剤(例えば、Blankophor REU(登録商標)などのスチルベン化合物)を殆どまたは全く含まない現像溶液中で処理される写真要素に、低汚染増感色素を使用することが、特に企図されている。更に、これらの低汚染色素を、当該技術分野において既知(リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)、1996年9月、第38957号、セクションV)(参照することによって本明細書の内容とする)の他の色素と組み合わせて使用することもできる。] [0190] 乳剤は、乳剤粒子の表面上で混合色素凝集体を形成する2種または3種以上の増感色素の混合物を用いて分光増感させることができる。混合色素凝集体の使用により、乳剤の分光感度を、これら2種または3種以上の色素のピーク感度(λ-max)の波長の極値間のいずれの波長にも、調整することが可能となる。このやり方は、2種または3種以上の増感色素が、スペクトルの類似の部分(すなわち、ブルー、またはグリーンもしくはレッドで、グリーンプラスレッドもしくはブループラスレッドもしくはグリーンプラスブルーではない部分)で吸収する場合にとりわけ価値がある。分光増感色素の機能は、ネガに記録されている情報(画像色素として記録されている)を変調することであるので、ピーク分光感度をカラーネガにおける画像色素のλ-maxのところまたはその近くに配置することにより、最適な好ましい応答が得られる。さらに、同様に分光増感された乳剤の組み合わせが1層または2層以上の層に存在してもよい。] [0191] 再現フィルムシステムの重要な品質特性は、色再現であり、これは、元々のシーンの色相が如何に正確に再現されるかを表す。多くの現行のカラーペーパーは、約480nmのところに最大感度を与える青増感色素を使用している。フィルム中のイエロー画像色素の感度極大により近い感度極大を提供する増感色素、例えば、約450〜470nmの感度極大を有する増感色素、を使用すると、改良された色再現を有するカラーペーパーを得ることができる。] [0192] 本発明の要素に含まれていてもよい典型的な画像色素形成カプラーは、酸化された発色現像試薬との反応時にシアン色素を形成するカプラーであり、このようなカプラーは、例えば、米国特許第2,367,531号、第2,423,730号、第2,474,293号、第2,772,162号、第2,895,826号、第3,002,836号、第3,034,892号、第3,041,236号、および第4,883,746号の各明細書、並びに"Farbkuppler-Eine Literature Ubersicht" Band III、Agfa Mitteilungen発行、1961年、p.156〜175などの代表的な特許明細書および刊行物(全てを参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている。好ましくは、このようなカプラーは、酸化された発色現像試薬との反応時にシアン色素を形成するフェノール類およびナフトール類である。また、例えば、欧州特許出願第491,197号、第544,322号、第556,700号、第556,777号、第565,096号、第570,006号、および第574,948号の各明細書(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているシアンカプラーも好ましい。] [0193] 画像色素形成カプラーは、要素例えば、酸化された発色現像試薬との反応時にシアン色素を形成するカプラー中に含まれていてもよく、このようなカプラーは、例えば、米国特許第2,367,531号、第2,423,730号、第2,474,293号、第2,772,162号、第2,895,826号、第3,002,836号、第3,034,892号、第3,041,236号、および第4,883,746号の各明細書、並びに"Farbkuppler-Eine Literature Ubersicht" Band III、Agfa Mitteilungen発行、1961年、p.156〜175などの代表的な特許明細書および刊行物(全てを参照することによって本明細書の内容とする)に記載されている。好ましくは、このようなカプラーは、酸化された発色現像試薬との反応時にシアン色素を形成するフェノール類およびナフトール類である。また、例えば、欧州特許出願第491,197号、第544,322号、第556,700号、第556,777号、第565,096号、第570,006号、および第574,948号の各明細書(参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているシアンカプラーも好ましい。] [0194] 典型的なシアンカプラーは、下記の式によって表される。] [0195] ] [0196] ここで、R1、R5、およびR8はそれぞれが水素または置換基を表し、R2は置換基を表し、R3、R4 、およびR7はそれぞれがハメットの置換基定数σparaが0.2以上である電子吸引性基を表し、R3とR4とのσpara値の合計は0.65以上であり、R6はハメットの置換基定数σparaが0.35以上である電子吸引性基を表し、Xは水素またはカップリングオフ基を表し、Z1は、少なくとも1種の解離性基を有する、窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子を表し、Z2は−C(R7)=および−N=を表し、そしてZ3およびZ4はそれぞれが−C(R8)=および−N=を表す。] [0197] 更により好ましいのは、下記の式のシアンカプラーである。] [0198] ] [0199] ここで、R9は置換基(好ましくは、カルイバモイル、ウレイドまたはカルボンアミド基)を表し、R10は置換基(好ましくはそれぞれ独立して、ハロゲン、アルキルおよびカルボンアミド基から選ばれる)を表し、R11はバラスト(ballast)置換基を表し、R12は水素または置換基(好ましくはカルボンアミドまたはスルホンアミド基)を表し、Xは水素またはカップリングオフ基、そしてmは1〜3である。] [0200] 解離性基は酸性プロトン、例えば−NH−、−CH(R)−、を有し、それは水中で好ましくは3〜12のpKa値を有している。ハメット則は1935年にL.P. Hammettによって提案され、置換基を有するベンゼン誘導体の反応もしくは平衡への置換基の影響を定量的に議論することを目的とした経験則である。この規則は広く受け入れられている。ハメットの置換基定数の値は、文献中に見出すことができ、または測定されている。例えば、C. HanschおよびAJ. Leo、J. Med. Chem.、1973年、第16巻、p.1207、J. Med. Chem.、1977年、第20巻、p.304およびJ.A. Dean、Lange's Handbook of Chemistry、1979年、第12版、McGraw-Hill(参照することによって本明細書の内容とする)を参照。]
权利要求:
請求項1 少なくとも1つの画像形成性層および支持体を含む画像形成性要素であって、該支持体は少なくとも1つの真珠光沢樹脂層を含んでなり、該支持体の最上層は、該少なくとも1つの画像形成性層に隣接しており、そしてポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含んでおり、そして該画像形成性要素のFLOP値が25超である、画像形成性要素。 請求項2 前記の最上層が、0.8μm超の表面粗さ平均Raおよび7μm超の粗さ特性Rzを有している、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項3 前記の最上層が、150μm超の空間表面特性パラメータSmを有している、請求項2記載の画像形成性要素。 請求項4 前記の最上層が、0.25μm超で1μm未満のピークが、30〜70ピーク/cmである表面を有している、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項5 前記の最上層が1.5μm超の表面粗さ平均Raおよび8.4μm超の粗さ特性Rzを有している、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項6 前記の最上層が、290μm超の空間表面特性パラメータSmを有している、請求項5記載の画像形成性要素。 請求項7 前記の最上層が、非真珠光沢無機顔料を含まない、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項8 前記の最上層が、押出成形された層である、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項9 前記の真珠光沢顔料が、ケイ酸塩を主成分とする材料の細長い小板状構造を含む、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項10 前記の真珠光沢顔料が、金属酸化物で被覆された雲母である、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項11 前記の金属酸化物で被覆された雲母が、二酸化チタンで被覆された雲母である、請求項10記載の画像形成性要素。 請求項12 前記の真珠光沢顔料が、0.1〜15質量%の量で存在している、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項13 前記のポリオレフィンマトリックスポリマーが、ポリエチレンである、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項14 前記のポリエチレンが、低密度ポリエチレンである、請求項13記載の画像形成性要素。 請求項15 前記の画像形成性層が、ハロゲン化銀画像形成性層である、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項16 前記の画像形成性層が、膨潤性のインクジェット画像形成性層である、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項17 前記の支持体が、ベース基材上に厳密に1つの真珠光沢樹脂被覆層を含む、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項18 前記の支持体が、更に少なくとも1つの着色された層を、前記の最上層の、前記の少なくとも1つの画像形成性層と隣接する側とは反対側の層上に含む、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項19 前記の少なくとも1つの着色された層が、二酸化チタンを含んでいる、請求項18記載の画像形成性要素。 請求項20 前記の少なくとも1つの真珠光沢樹脂層の厚さの、前記の着色された層の厚さに対する比が、4:1である、請求項18記載の画像形成性要素。 請求項21 前記の最上層の、前記の少なくとも1つの画像形成性層に隣接する側とは反対の表面上に、ベース基材を更に含んでいる、請求項1記載の画像形成性要素。 請求項22 少なくとも1つの真珠光沢樹脂層を含む画像形成性要素用の支持体であって、該支持体の最上層が、ポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含んでおり、そして該支持体のFLOP値が25超である、支持体。 請求項23 前記の最上層が、0.8μm超の表面粗さ平均Raおよび7μm超の粗さ特性Rzを有している、請求項22記載の支持体。 請求項24 −ベース基材を準備すること;−ポリオレフィンマトリックスポリマー中に真珠光沢顔料を含む溶融した最上層を押出すこと、−該溶融最上層を、2μmの粗さ平均(Ra)および11.125μmのRzを有する表面を有する冷却ロールに接触させること、および−該冷却ロールから該最上層を取り外すこと、を含む支持体の製造方法であって、該最上層のFLOP値は25超である、方法。 請求項25 前記の最上層が、0.25μm超で1μm未満のピークが、30〜70ピーク/cmである表面を有している、請求項21記載の方法。
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引用文献:
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